離島・へき地から沖縄本島の医療機関で放射線治療をするがん患者と付添人の宿泊費を割引く沖縄県と沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合の事業が、7月の開始から3カ月間で利用者がいないことが6日、分かった。患者会からは、対象者や治療法が限定されていることや、現状の割引額では経済的負担の軽減が不十分であるとの指摘が出ている。

 県議会文教厚生委員会で、県の財政的支援を委員から問われた仲本朝久保健医療部長は「患者会と意見交換しながら、今の制度で拡充すべきものを検討したい」と述べ、患者会の意向を早急に把握したい考えを示した。

 組合に加盟する40のホテルが対象。本島で放射線治療を必要とする患者が、医療機関で登録証を受け取れば、最大4割の宿泊割引が受けられる仕組み。県は北部と宮古・八重山の保健所と市町村にパンフレットなどを配布しているが、問い合わせも十数件にとどまっているという。

 離島のがん患者支援を考える「ゆうかぎの会」(宮古島市)の真栄里隆代会長は、対象が限定されていることと宿泊料金の二つの課題を指摘。「放射線治療だけというのは、すごく使いにくい。化学療法や手術、検査も必要だし、広く離島の課題に対応するため難病の方にも広げてほしい」と制度の対象拡大を求める。

 最大4割引きでも数カ月に及ぶ治療では負担が大きいため、料金低減に向けた県の財政支援も課題に挙げている。