那覇市では11月16日投開票の県知事選に加え、市長選、県議補選、市議補選が重なる4つの同日選挙になる見通しだ。市長選は、すでに出馬を表明している副市長の城間幹子氏(63)と自民党県連が擁立を内定した前副知事の与世田兼稔氏(64)の一騎打ちの公算が大きい。また、県議補選には現段階で那覇市議2人が出馬する予定。出馬する市議が29日までに辞職し、欠員が出た場合は市議補選も同日に行われる。知事選に出馬する仲井真弘多知事(75)と前那覇市長の翁長雄志氏(64)の両陣営は、4つの選挙を見据えた戦術を展開する構えだ。(選挙取材班・吉川毅、銘苅一哲)

 「過去に3つの同日選挙はあったが、4つ重なることは初めてだ」。那覇市選挙管理委員会は市議会9月定例会で投票箱54箱など機材購入を含めた補正予算案を提出、可決された。唐真弘安委員長は「投票箱が足りないので早急に対応する。今回は事務を遂行するために特に注意が必要だ」と万全の態勢で臨む。

■辞職日が鍵に

 県議補選那覇市区には現段階で、那覇市議の比嘉瑞己氏(40)=共産、山川典二氏(59)=自民=が出馬の予定。辞職のタイミングはそれぞれの戦略で判断される。補選が実施される辞職のタイムリミットは29日。辞職しない場合でも立候補した時点で自動的に失職になる。

 共産党県委員会は2013年に死去した共産県議の前田政明氏の議席を守ると同時に、知事選に出馬する翁長氏の当選に貢献できる補選と位置付ける。

 ただ、保革を超えた「オール沖縄」の枠組みで挑む知事選と市長選とは異なり、県議補選は従来の保革の争いになる見通し。翁長陣営の保守系選対幹部は「メーンは知事選と市長選。県議補選、市議補選には触らない」との方針だ。

 共産党市議団の古堅茂治団長は「知事選に水を差さない県議補選にしなければいけない」と強調。市議補選については「選挙の人手も足りず、知事選にも影響が出かねない」とし、比嘉氏は立候補届を出すまで辞職せず、自動失職で対応することも検討している。

■相乗効果狙う

 一方、自民党県連は山川氏の擁立を9月26日の選挙対策委員会で決定した。自民党1区支部長の国場幸之助衆院議員は「自前の後援会があり、自分で戦う力があるという基準で選んだ」と説明。4つの選挙を連動させることで、知事選や市長選の相乗効果を狙う。

 また、市議補選について県連側は「市議会の現有議席に穴をあけるわけにはいかない。政治、議会の常道として山川氏は29日までに辞職し、市議補選に候補を擁立する」との考えだ。

 ただ、自民市議の中では「選挙となれば1カ月余りだが、現時点で市議補選候補のめどはない」との意見も。難航した市長選候補者選考が7日にも決着するのを受け、市議選の具体的な協議に着手する見通しだ。

 那覇市長選などで、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)の陣営は目立った動きを示していない。