強い勢力を保ったまま沖縄に近づく台風が増えた。地球温暖化による海水温の上昇が原因といわれる。北上しても水温が下がらないため勢いが衰えない

▼3連休を直撃した19号は一時900ヘクトパスカルまで発達し「スーパー台風」と呼ばれた。米国では風速67メートル以上の最強クラスをそう分類するという

▼7月の8号は沖縄気象台が「経験したことのない甚大な被害発生の恐れ」と表現し、最大級の警戒を呼び掛けた。昨年11月の30号は観測史上最強ともいわれ、フィリピンで6千人の多大な犠牲者が出た。最大瞬間風速105メートルという想像を絶する自然の猛威に対し、人間の無力さを痛感した

▼9年前に取材した講演会で気象庁気象研究所の研究者が「2090年には風速70メートルの台風が来る」と発表し、驚かされた記憶がある。温暖化の沖縄への影響として海水面の上昇、真夏日や熱帯夜の増加、ゲリラ豪雨の頻発、長引く梅雨-などの予測も出された

▼にわかに信じ難かったが、それも温室効果ガス排出が中程度で収まると仮定したシナリオでの試算にすぎなかった。現実はもっと急速に悪化しているように思えてならない

▼異常気象、と嘆くのは簡単だが、人間の活動がもたらした結果ということを忘れてはならない。嵐をやり過ごした後で、日々の暮らしと地球との関わりを見つめ直したい。(田嶋正雄)