台風19号は12日、沖縄から遠ざかり、爪跡が残された。特に暴風が丸2日近く吹き続け、記録的な豪雨に見舞われた本島北部では土砂崩れや浸水が相次いだ。停電も、うるま市などで丸2日続いた。午後には航空便が再開、那覇空港は人であふれた。

崩れた岩に押しつぶされた鉄工所=12日午前10時ごろ、本部町谷茶(国吉聡志撮影)

暴風にあおられ、倒れた県立読谷高校正門の大木=12日午前8時40分、読谷村伊良皆(田嶋正雄撮影)

崩れた岩に押しつぶされた鉄工所=12日午前10時ごろ、本部町谷茶(国吉聡志撮影) 暴風にあおられ、倒れた県立読谷高校正門の大木=12日午前8時40分、読谷村伊良皆(田嶋正雄撮影)

■地面揺れ「地震かと」

 【北部】本部町谷茶では11日午後10時半前、鉄工所の工場裏の斜面が崩れた。土砂や樹木、2メートルを超える土の塊などが工場に押し寄せ全壊。工場内に置かれていたトラックの後部もつぶれ、工場内には20センチほどの高さの泥が広がっていた。

 「地面は揺れたが、地震だと思っていた」

 工場近くに住む鉄工所の仲宗根吉男代表(63)は、消防からの連絡で土砂崩れを知った。「昨夜は東からの風がすごく、(工場)上の木が揺れて崩れたと思う」と振り返る。工場で使っていた時計は10時26分で止まっていた。

 仲宗根さんは「半壊か全壊か。まずは片づけないと始まらない」と語り、駆け付けた知人らによる重機での片付け作業を見守った。

 国頭村伊地でも民家裏の斜面が崩れて押し寄せ、壁が壊れ、家がゆがんだ。村役場などによると、この民家に住む1人暮らしの女性は、息子夫婦の家に避難しており無事だった。

 また、名護市では浸水被害が発生。同市消防本部には浸水の通報が16件あり、12日午後7時時点で床上床下浸水4件を確認。13日以降も確認を続ける。

 同市大東の老人デイサービス施設では11日午後10時半ごろから施設内へ水が入り込み、床上10センチほど浸水。同日は利用者5人が宿泊サービスを利用しており、台風の目に入った12日午前0時すぎに消防と職員が連携して施設から避難した。7月の台風8号では膝上の高さほど浸水したと言い、今回はソファなどを机の上にあげるなど対策した。大きな被害はなかったが、12日午前中は片付けに追われた。職員の比嘉良輝さん(49)は「片付けも大変だが、利用者の安全が最優先」と話した。

 道の駅許田の裏側の駐車場でも土砂が崩れ、自動車の一部が土砂に埋まった。

 また、大宜味村喜如嘉の七滝近くの斜面が崩れて川に流れ込み、水があふれたほか、東村の東小中学校でも土砂崩れが2か所発生。体育館の窓ガラスも強風で割れた。