全国の小学校で2013年度に把握されたいじめは11万8805件で過去最多を更新した。小学校での暴力行為も1万896件と最多で、1997年度の調査開始以来初めて1万件を超えた。

 文部科学省が公表した2013年度問題行動調査から浮き彫りになったのは「問題行動の低年齢化」である。

 いじめが大きな社会問題になると認知件数が増え、落ち着くと減るというのが、これまでの傾向だ。

 大津市の中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した後に実施された12年度調査では、小中高校全体で件数が大幅に増えた。

 今回、中学、高校は傾向通りにいじめが減少、しかし小学校では増加が続く。早期発見の意識が浸透し「掘り起こし」が進んだ結果である。

 一方、県内のいじめ認知件数は小中高校全体で560件。前年度より3千件も大幅に減った。

 取り組みが奏功したのだろうか。あまりに急激な増減は気になるところだ。いじめ把握への意識が薄れてはいないか、いま一度確認してほしい。

 いじめ調査では、しばしば都道府県による把握件数のばらつきが指摘される。実態に大きな差があるとは思えない。むしろ件数の多い自治体の方が、丁寧に調査し、しっかり対応しているケースが目立つ。

 大人の目が届かないところでパソコンや携帯電話を使ったネットいじめが増えつつある現状を考えると、いじめの件数に一喜一憂するのではなく、早期発見と解決にこそ重点を置くべきだ。

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 小中高校を合わせた暴力行為全体は、09年度をピークに減る方向にある。増え続けているのは小学生だ。県内の暴力行為件数は、小中高校全体で767件。うち小学校は88件で17件の増加だ。

 全国で1万件を超える小学生の暴力行為の内容は多い方から「子ども同士の暴力」「教員への暴力」「器物損壊」である。

 まだあどけなさが残る子どもの教師への暴力が、小学校の「荒れ」を象徴する。

 今の子どもたちは、少子化で集団でもまれることが少ない。そのため対人関係で押したり引いたりといったバランスを取る力が弱い。感情コントロールが未熟で、衝動的に手が出てしまうのだという。

 小学生の暴力行為が、中学でエスカレートし、非行などにつながる前に支援の手を差し伸べる必要がある。

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 うまく人間関係がつくれない子ども自身へのアプローチも大切だが、子どもに「なぜ」と問い掛けるだけでは解決しない。

 背景にある貧困など家庭の教育力の低下にも目を向け、子どもと一緒に、親も支えていく姿勢が求められる。

 問題行動に直接接する学校側の関わりも重要だ。それには世界でも多忙といわれる教師が、じっくり子どもと向き合う時間を確保しなければならない。

 家庭、学校、そして地域がチームとなって、支える側の厚みを発揮したい。