知事選3期目に挑む仲井真弘多氏(75)は、18日に発表した政策集で「一日も早い普天間の危険性の除去」を掲げ、現実的な対応として名護市辺野古埋め立てを承認した姿勢を盛り込んだ。公有水面埋立法に適合した埋め立て申請のため承認した考えを展開し、「知事として法に反する行為は断じて許されない」と法制度的に不承認はできなかったとの考えを示した。(選挙取材班・銘苅一哲)

仲井真弘多氏政策(要旨)

 同時に移設先の地元負担に触れ、「苦渋の選択」との表現も。これまで仲井真氏は承認審査の知事の裁量は小さく、行政手続き上で承認したとの考えから、自らの政治判断の意味を含む「苦渋の選択」の表現を控えていた。

 今回の知事選は、昨年12月の「いい正月が迎えられる」など承認前後の発言への反発で逆風も吹く。仲井真氏は政策発表会見で釈明した。現実的な手続きで承認したが、「苦渋」もあったとの姿勢をにじませ有権者の理解を得たいという狙いもある。

 普天間問題以外では2期の経済振興、雇用政策など実績を列挙。子どもの貧困対策、中学3年生までの医療費無料化、給食費無料化、南北縦貫鉄軌道と東海岸支線導入など新政策と従来政策の追加・具体化で、県が初めて作成した振興計画の21世紀ビジョンの“アップデート”を図る。

 仲井真県政は全国でも例のない一括交付金実現など市町村首長を中心に振興政策の評価が高い。ただ、知事選は普天間が実質的に主要争点となり、11月16日には県民の審判が下される。

 4年前の知事選で県外移設を求めた仲井真氏。今回の会見で「県外だけでなく、県外を含むあらゆる手段を、と言ってきた」と説明した。だが、県民との約束である「県外」から「承認」に至った経緯を分かりやすく説明し、訴えなければ、政策集に盛り込んだ「現実的かつ柔軟な解決姿勢」は有権者の目に「変節」と映りかねない。選挙戦での丁寧な訴えが鍵となりそうだ。