国会で連日、野党の追及を受けていた小渕優子経済産業相と松島みどり法相が週明けの20日、相次いで辞任した。

 9月の内閣改造の際、女性重視の政策をアピールし内閣のイメージ・アップを図るため、5人の女性閣僚が起用された。そのうちの2人が、わずか1カ月半で同じ日に辞任に追い込まれたことになる。

尋常ではない。

 安倍晋三首相は、2人の辞表をその場で受理し、夕方には早々と2人の後継大臣を決めた。何事につけ安倍政権は問題発生時の対応が素早い。政権へのダメージをできるだけ小さくするため、問題が広がる前に、芽を摘み取る-そんな思惑が透けて見える。

 だが、肝心な部分の真相はまだ何も明らかになっていない。説明責任は果たされておらず、これで幕引きというわけにはいかないのである。

 小渕氏は関連する政治団体の不透明な会計処理や不適切な政治資金の支出が問題視されている。

 支援者向けに開いている観劇会の収支報告について小渕氏は20日の記者会見で、「大きな疑問がある」と自ら認め、第三者を交えて調査することを明らかにした。ベビー用品、化粧品、下仁田ネギなどの大量購入に見られる「公私混同」問題についても、説明は尽くされていない。

 小渕氏は「私自身が分からないことが多すぎる。すべてが甘かった」とも語った。

 ならば、国会の政治倫理審査会(政倫審)の場で、事の次第を説明すべきだろう。それが、失われた信頼を回復する第一歩である。

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 松島氏は自分の選挙区で名前、肩書の入ったうちわを大量に配布し、公職選挙法違反の疑いで刑事告発された。

 20日の記者会見では「法に反することをしたとは考えていない」と違法性を否定したが、就任以来、問題言動が多く、法務省職員との関係もぎくしゃくしていた。

 安倍首相は「任命責任は私にある。国民に深くおわびしたい」と陳謝した。しかし、今回はうわべだけの陳謝では済まないだろう。これまでの事例と違って、安倍首相の任命責任は格段に重い。

 第1次安倍内閣の時は、事務所経費の不適切な支出などをめぐって佐田玄一郎行政改革相、松岡利勝農相、赤城徳彦農相らが相次いで辞任、更迭に追い込まれた。

 同じ轍(てつ)を踏んではならないというのが第2次安倍政権の共通認識であったはずなのに、「政治とカネ」をめぐる問題で再び、2人の大臣が同じ日に辞職したのである。

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 安倍首相の内閣はなぜ、辞職する大臣が多いのか。これを単なる偶然だと片付けるべきではない。

 第1次安倍内閣は「お友達内閣」だと揶揄(やゆ)された。第2次安倍改造内閣にもその傾向が見える。5人の女性閣僚のうち高市早苗総務相、山谷えり子国家公安委員長らは、歴史問題に対する考え方が安倍首相に極めて近い。いわば「お友達」である。

 「安倍一強」体制は、党内の健全なチェック・アンド・バランス機能を失わせてはいないだろうか。