【名護】沖縄の土地闘争や米軍基地問題などをテーマに映画を撮り続けているじんぶん企画の輿石(こしいし)正さん(68)がこのほど、新基地建設に揺れる辺野古問題を問う映画「泥の花」を完成させた。18年間、翻弄(ほんろう)されてきた市民の思いを丁寧に盛り込んだ作品で、25日に名護市内で上映する。輿石さんは「沖縄が闘ってきたこれまでの歴史を、若い世代に伝えていきたい」と話している。

「今だけの問題ではない沖縄の闘いを考えてほしい」と語る輿石正さん=名護市内

 市内で予備校の校長を務める輿石さんが制作する映画はこれで8作目。そのうち、米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設問題として辺野古の闘争をテーマにした作品は4本目となる。

 約90分の映画の中で、辺野古の米軍ゲート前や海上で繰り広げられる市民と政府との激しいやりとりは最小限に抑えた。辺野古だけでなく金武湾での石油備蓄基地(CTS)闘争など、沖縄が歩んだ歴史を丁寧に振り返ったという。

 また、海やゲート前の抗議に行くことができない人々の思いにも寄り添い、インタビューでつないだ。「前線で闘っている人だけではない。現場に行けなくても、強く反対している人々はいる。そんな声を取り上げたかった」と輿石さんは話す。

 予備校で接する若者が激しい抗議運動に面食らったり、戸惑ったりする姿も見てきた。「彼らが“怖い”と思うのは当たり前。だが、僕が授業で何度も話すうちに、行ってみようという気持ちになってくれる」と語る。その上で「辺野古の今の問題だけで終わらせてはいけない。まず現場を見て、そして考えてほしい。映画がそのきっかけになれば」と呼び掛けた。

 上映会は25日午後6時、名護市労働福祉センターで。問い合わせはじんぶん企画、電話0980(53)6012。