名護市辺野古の新基地建設工事で、沖縄県教育庁が事業者の沖縄防衛局に対し、予備調査をした上で、キャンプ・シュワブ内の予定地にある埋蔵文化財5件の取り扱いを名護市教育委員会と再度協議するよう勧告したことが、22日までに分かった。埋蔵文化財は陸上作業ヤードや仮設道路の工事予定地、埋め立て土砂の採取区域にもあり、試掘確認などの予備調査や市教委との協議次第では工事計画に遅れが生じる可能性がある。

 県教育庁文化財課は17日付で市教委に勧告を盛り込んだ文書を送付しており、市教委を通して防衛局に伝える。勧告は通常(1)発掘調査(記録保存)(2)立ち会い(3)慎重工事-の3種類で、埋蔵文化財の発掘手法を指定するが、今回はいずれにも該当しない。予備調査が不十分で埋蔵文化財の範囲が把握できないため、発掘手法を特定できなかった。

 防衛局が埋蔵文化財周辺で工事する際は、市教委との協議手続きを終えなければならない。この前提に予備調査があるが、現地の状況によって一定の時間を要するとみられる。予備調査は通常、埋蔵文化財がある市町村教委が実施する。

 防衛局は8月11日、文化財を管理・調査する市に対し、文化財保護法94条に基づき、思原(うむいばる)遺跡や美謝川集落関連遺跡群などキャンプ・シュワブ内の埋蔵文化財5件の発掘を通知。工事の開始時期は2015年4月予定と記載していた。

 一方で市教委は「確認調査が行われておらず遺跡の詳細な範囲が把握されていないため、現段階では保存が望ましい」として慎重な姿勢を示す意見をまとめ、文化財課に最終判断を仰いでいた。(篠原知恵、伊集竜太郎)