保育園児が「来年は小学生」と言うと、けげんな顔をされる。「小学校入学前の5歳児は幼稚園」と思い込んでいる人が、かなりいるようだ

▼来春、県内の5歳の幼稚園児が千人規模で放課後の居場所がなくなる恐れがあることが本紙の調べで分かった。「子ども・子育て支援新制度」の開始で、幼稚園児は放課後学童クラブを利用できなくなるという

▼米施政権下の保育政策を引きずった、沖縄特有の「5歳児問題」に再び火がつきかねない。親が共働きなどの保育に欠ける子どもは、5歳児もほとんどが保育所に通う県外では生じない問題だろう

▼子どもの居場所さえあればいい、ということでもない。子どもたちの発達を支えるにふさわしい場を、行政は整備する必要がある。しかし復帰後42年間、整備してこなかったツケが、子どもたちに回される

▼5歳児問題だけでなく、新制度そのものも、これまでにない認定申請やそれにともなう延長料金発生など課題がのぞく。共働きのほか1人親や低所得者が多い県内では、困惑する家庭が出るのではないかと不安になる

▼子どもや親にとってよりよい制度にするため住民と行政が意見と知恵を出し合う必要があるはずだが、保護者への説明すらまだの市町村も。制度スタートまで残された時間は少ない。対応は急務だ。(安里真己)