沖縄県と在沖米海軍病院の感染症情報の交換対象が日米合同委員会合意で46年ぶりに見直され、26疾病から76疾病に大幅に拡大していたことが22日、分かった。エボラ出血熱や新型インフルエンザのほか、鳥インフルエンザ、狂犬病などの動物感染も新たに加わった。疑いを含め67人が米軍基地内で集団発生したレプトスピラ症の情報を県が把握したことで、ことし9月の注意喚起発表につながるなど新制度による成果も出ている。

 日米合同委員会で合意したのは昨年1月。厚生労働省が同年8月に沖縄県のほか、神奈川県の厚木市や大和市、横須賀市など在日米軍の病院などがある自治体や保健所に新制度を始めるよう通知した。当初の対象は75疾病だったが、同年10月に1疾病が追加され、76疾病となった。

 それ以前の日米合同委合意は1966年8月。県はこれまでも26疾病以外を週報で交換しており、見直し直前には35疾病まで広がっていた。週報は病名や報告数を書き込むようになっており、該当がない場合も届ける仕組みだ。

 ことし9月には新制度による成果もあった。北部訓練場のジャングル戦訓練に伴い8~9月、67人にレプトスピラ症感染の疑いが浮上した。米軍側は検査確定前、県に情報提供し、県衛生環境研究所による検査も実施。同じころ本島北部や八重山地区でレプトスピラ症が確認されたこともあり、基地内集団発生の情報と合わせ、県は県民への注意喚起に踏み切った。

 県健康長寿課の担当者は「新たな制度で米軍から具体的な情報が入るようになり、県全体の感染症の把握がしやすくなった」と感染症対策の強化を歓迎。エボラ熱や新型インフルエンザなどでもさらに連携を深めたいとしている。

 レプトスピラ症は頭痛や発熱、筋肉痛などの症状があり、死に至ることもある。原因菌はネズミやマングースなどの野生動物の体内に潜み、尿で汚染された土壌や水から人に感染する。県内では例年6~10月、主に河川でのレジャーで発生する。(溝井洋輔)