うつ病百万人の時代です。どう予防すればよいでしょうか。

 私は精神的エネルギーを無駄に消耗しない心の運転を推奨します。うつ病は真面目に生き抜き、悩みに捕らわれ過ぎてエネルギーのコントロール方法を知らずに、電池切れの状態になった結果なので、そうならない悩み方の知識を持ち実践すれば良いのです。

 心療内科医が患者さんと出会う時は、その人の頭の中は、暗雲がたちこめ大雨の状態です。どう晴らせばよいのでしょうか。

 まず、「考える姿勢」が大切です。ロダンの彫刻は素晴らしいですが、あの「考える人」の姿勢は良くありません。1日中でも悩み続けている雰囲気です。きっと頭の中の整理がつかずに、執着という暗雲からの悩みの大雨でしょう。大量の精神的エネルギーの消耗が行われ、うつ病になる典型像が表現されている気がします。

 私がうつ病の患者さんに必ず話す、大切な「薬」があります。それは、今頭の中にある事が、考えている事なのか、気を病む事なのか区別しなさいという事。「考える」は試験を解くように「明快に答えがある事」なのでそれほど疲れません。「気を病む」は過去の後悔・未来の取り越し苦労をしており、それらは答えがないために堂々巡りの果てしないスパイラルに陥り、膨大なエネルギーを消耗し脳が疲れ果てて、うつ病になるのです。

 自分の心の動きを客観的に見て頭にあるのが「考えている事」なのか、「気を病む事」なのか見分ける訓練をしましょう。気を病んでいたらすぐに切り替える事です。「考え事」も5分ルール。5分集中して考え、答えが出なかったら棚上げ。明日また5分だけ棚卸しして考えましょう。考えを切り替える手段としては、「なるようになる」と言い聞かせて、手足を動かして目の前に集中する事です。

 何もせずに座っていると、不安な考えやマイナス思考から心が攻撃を受けます。そのため、心が動揺し、大波となり、エネルギーが消耗されます。その攻撃をはね返す「盾」になってくれるのが、「行動して目の前に集中する事」なのです。これで心の動揺はさざ波となりエネルギーの消耗は少なくなります。

 何よりも大切な事は「今に集中して生きる」これにつきます。これが心の省エネ運転モードです。「過度の執着」という暗雲が過ぎ去れば雨も上がり、そろそろ晴れ間が見えてきますよ。(一銀クリニック・城間功旬)