防衛省は21日、陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)を米軍普天間飛行場に配備している米海兵隊のオスプレイ24機の定期整備拠点にする計画を、千葉県と木更津市に伝えた。陸自が導入する17機と合わせ、日米共通の整備拠点にする考えだという。

 政府は、2015年度以降に自衛隊への導入を目指すオスプレイの整備拠点を、沖縄以外の自衛隊飛行場などに建設するため候補地選定を本格化させていた。整備拠点を本土に拡大することで、普天間に所属するオスプレイの訓練場所の分散を加速させる狙いもあるという。

 政府はオスプレイの本土への訓練分散を「沖縄の負担軽減」と強調する。しかし内実は、島しょ防衛のため自衛隊の活動拠点を新たに確保するとともに、全国至る所に日米が共同使用できる基地を増やし、軍事面の一体化をさらに進めるのが主眼だ。

 国内では既に、饗庭野演習場(滋賀県)での日米共同訓練や新田原飛行場(宮崎県)での航空祭に米軍のオスプレイが参加。今月19日には普天間所属のオスプレイ2機が南海トラフ巨大地震を想定した和歌山県の津波災害対応訓練に参加した。自治体主催の防災訓練では初のことだ。

 日米両政府には防災訓練を運用拡大の地ならしとし、国民のアレルギーを和らげたいとの思惑がある。住民が受け入れやすい防災訓練などのイベントを通じて安全性への懸念を払拭(ふっしょく)するとともに、垂直離着陸できる特性や輸送力をアピールし、抵抗感をなくしたいのが日米共通の本音だ。

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 防衛省は7月には、陸自に導入するオスプレイの佐賀空港配備を佐賀県に要請した。古川康知事と会談した武田良太防衛副大臣(当時)は、普天間の辺野古移設が実現するまでの間、米海兵隊のオスプレイの暫定使用も想定していることを明らかにした。

 これには地元・佐賀の反発に加え、米側も難色を示したため表明からわずか2週間余で立ち消えとなった。

 武田氏はこの際、「沖縄の負担軽減のため」と強調。菅義偉官房長官も「本土においても、沖縄の負担軽減のためにやれることはすべてやるべきだ」と訴えていた。だが政府は、米側と本気で交渉してまで負担軽減を図ろうとはしていないことも判明した。

 2019年2月までの普天間運用停止を目指すと表明した安倍政権に対し、米政府は「空想のような見通しだ」と批判。米側が不信感を募らせている事実が浮かんだ。

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 政府はなぜ国民に詭弁(きべん)を弄(ろう)するのか。とりわけ普天間移設をめぐっては、政府への根深い不信が拭えない。

 米海兵隊は辺野古新基地で最新鋭戦闘機F35の運用を想定し、特別空域を再設定する方針だが、環境アセスにF35は明記されていない。キャンプ・シュワブ内に30棟以上の兵員宿舎など軍関連施設の建設計画も米政府の内部文書で判明しているが、政府は地元に説明していない。普天間代替施設をめぐる全容はいまだに判然としないのが実情だ。

 国民を欺くのが政府の常とう手段なのか。