今国会で取り沙汰されているカジノを含む統合型リゾート施設整備推進法案の成立が、困難な情勢になったとの報道があった。女性2閣僚の辞任が響き、衆院の委員会での審議が見通せないという

▼日本には「遊技」のパチンコ・パチスロに加え、競馬、競輪、オートレースなど法で特別に認めている公営賭博もある。国民には、ギャンブル好きがいれば、さまざまな理由で嫌う人もいる

▼今許されている賭け事は、双方のバランスに支えられて成り立っているといえよう。その上にカジノ解禁を乗せ、長年続いてきたこの「均衡の構造」を変えるなら、よくよく思案する必要がある

▼推進議員は、観光客を呼び込み、雇用を創ることで、経済に活を入れられるという。そういいことずくめでないことは、ギャンブル依存症などの弊害の指摘が示す

▼世論の反対が強いことを意識してのことであろう。法案をめぐっては、利用を外国人に限る修正が一度は決まった。異論が出ると数日で元に戻した。提案した超党派議員連盟の姿勢も場当たり的に映る

▼著名な投資家のウォーレン・バフェット氏は「辛抱強さと冷静さは、知能指数より重要かもしれない」と諭す。国民生活、経済社会のありように関わる法案である。勢いや焦りに任せず、落ち着いた息の長い議論で是非を詰めたほうがいい。(宮城栄作)