「正直、安心したというかホッとした」。中央大多摩キャンパス。指名後、涙ながらに語る第一声に大学4年間の思いが凝縮されていた。

ソフトバンクから指名され、チームメートの慶田城開に肩車される島袋洋奨=中大(小笠原大介撮影)

 華々しい活躍だった高校時代とは対照的に、「東都」で大きな挫折を味わった。制球難に苦しみ自慢の直球さえ満足に決まらない時期もあった。今春の開幕前に取材をした時には「自分がこんなに悩む人だったとは…」と苦悶(くもん)の表情をみせたが、それでも瞳の奥の炎は消えていなかった。 

 「プロに行くために中大へ進んだのだから」。不調の原因と真摯(しんし)に向き合った。それだけに16日の駒大戦で手にした1年ぶりの白星は1勝以上の重みがあった。

 東都大学リーグ通算12勝20敗。「チームに迷惑を掛けた」と悔い残ったが、「不調になっても解決法を見つけ出せた。それが4年間で培ったもの」と前を向く。

 ソフトバンクには高校時代に投げ合った東浜巨(沖尚高-亜大)がいる。プロの調整法を教えてもらうつもりだ。

 まずは1軍マウンドに立つことを目標とし、今オフには中大に残り体力づくりから始める。「さらにレベルアップをして大学の巻き返しを図りたい」24日で22歳になる左腕は、プロで大学の借りを返す。

(小笠原大介東京通信員)

[しまぶくろ・ようすけ] 1992年10月生まれ。嘉数中、興南高へて中央大学。左投げ左打ち。173センチ、71キロ。