「今日は『何が何でも』と決めていた」。陸上の上与那原寛和選手(43)=沖縄市=は前日までの3種目はいずれも銀メダルで、出場最終種目の男子800メートルには背水の陣で臨んだ。

陸上男子800メートル(T52)で優勝した上与那原寛和選手=仁川

 2位とはわずかに0・01秒差で制し「やった。頂点に立った」と表彰台のセンターで喜びをかみしめた。

 前日の200メートルでは後半に伸びなかった。「原因が分からない」と悩んでいた。800メートルに向けては、タイヤの空気圧を落とすなど、試行錯誤を繰り返した。

 200メートル手前からトップを走るピチャヤ選手(タイ)の後ろにつけ、チャンスをうかがった。タイヤにしっかりと力が伝わる感覚もあり、スムーズに速度を調節できた。「いける」。ラスト100メートルで外側から抜き去った。

 「世界に向けたスタート」と位置づけた今大会で、出場全種目でメダルを獲得した。「取り組んでいることは間違っていない。少しずつ強化していく」と来年控える世界選手権に向け、さらなる飛躍を誓った。