遺言書を有効にするために民法が必要と定めた押印を、印鑑ではなく、戦国武将らが使った「花押(かおう)」が記されていた場合でも、遺言書は有効かどうかが争われた訴訟の判決で、福岡高裁那覇支部(須田啓之裁判長)は23日、押印として認めた一審那覇地裁判決を支持し、遺言書を有効と認めた。

 花押は署名の下に書く判で、日本では平安時代ごろから文書に使われ始め、豊臣秀吉ら武将も多用したとされる。現在でも閣僚が、閣議書に花押を毛筆で書くことが慣習となっている。

 訴訟で争われた遺言書は、琉球王朝時代に三司官などを輩出したという家の子孫の男性が「家督や財産を次男に譲る」とした内容で、生前に作成。2012年4月、次男がその有効性を求めて長男と三男を相手に提訴した。長男らは「押印を欠き無効」と主張していた。

 3月の一審判決は、花押が認印よりも偽造が困難なことや、この家では重要な場面で使われ、男性も使用していたことなどから「押印と認めるのが相当」と判断。二審も支持し、長男らの控訴を棄却した。

 次男の弁護士によると、花押が押印として有効と認められた裁判例は「確認できる範囲で初めて」という。長男らの弁護士は「判決をよく検討して対応を決めたい」としている。