政界で「身体検査」といえば、政治家の身長、体重を測定するのではなく、政治資金や女性関係などの問題の有無を確認することを指す

▼政府の調査機関も使って、入閣候補者の身辺や金の流れを洗い出す。スキャンダルに発展しそうな問題があれば、入閣見送りなど、内閣の顔ぶれを左右することもあるという

▼事前の調査にもかかわらず、安倍改造内閣の閣僚の不祥事が止まらない。政治団体の政治資金の不明朗な支出や選挙区内のうちわ配布で、目玉だった前経済産業相の小渕優子氏、前法相の松島みどり氏が辞任に追い込まれた

▼ダブル辞任の衝撃が冷めやらぬ中、24日付社会面を開くと、一般紙でほとんど見ることはない「SMバー」の見出しが飛び込んできた。小渕氏の後任の宮沢洋一経済産業相の資金管理団体が2010年、広島市内のSMバーに政治活動費を支出していた

▼だれのため、なんのための活動だろうか。宮沢氏は「秘書が行った」「私にそういう趣味は」と釈明に追われている。いかにも苦しい。法の問題ではなく、政治家としての良識が問われている

▼野党の追及が待ち構えている。政策論議ではなく、「うちわ」「観劇料」「SMバー」で与野党の攻防が過熱するのは情けない。それも大臣本人だけではなく、任命した安倍晋三首相の責任は免れない。(与那原良彦)