沖縄県産品の今を知るのに最も手っ取り早い方法は、産業まつりに足を運んで、会場をぐるっと回ってみることである。

 那覇市の奥武山公園と県立武道館で24日から始まった第38回沖縄の産業まつりは、きょうが最終日である。今年は、質量ともに充実していて見飽きない。

 「美ら島の魅力がギュッと県産品」-それが今年のテーマだ。

 「安かろう悪かろう」の評価がついて回った復帰前の島産品時代と比べ、県産品を取り巻く環境は生産、流通、販売のあらゆる分野で大きく変わった。品質の改善、種類の多様化、量の拡大、流通網の整備、保存技術の向上などが同時に進み、海外に向けた販路拡大の取り組みも活発になった。

 今年の産業まつりには、これまでで最も多い533の企業・団体・個人が出展している。

 加工食品や健康食品、泡盛、陶器、衣料品などの定番は、商品の多様化にまず驚かされる。沖縄の自然の恵みを最大限に活用し、自前のアイデアを加えることによって付加価値をつけた商品群だ。オクラ麺は、高校生の課題研究から生まれたという。

 冗談としか思えない奇抜なアイデアの分娩装置や、若者に人気のカラフルなマンホールなども展示されていて、参観者を楽しませている。

 県内でどのような技術が開発されているか。発明工夫展、産学官技術連携展なども併催されており、関係者の問題意識や技術水準を知ることができる。

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 沖縄に限らず全国どこでも共通するのは、環境と健康にやさしい製品や、その土地の生活文化を感じさせる商品の人気が高いことだ。

 県内市場だけに安住していては、県産品の拡大はおぼつかない。県外や海外の市場をどのように開拓するか。日本中どこでも新県産品を開発して販路拡大に躍起になっており、競争は激烈だ。

 一時期、テレビ番組の影響もあって沖縄文化がもてはやされ、泡盛、ゴーヤー、モズクなどの全国化を後押ししたことがあるが、沖縄文化にもたれるだけでは売れない時代になった。時代の変化に見合った新たな商品の開発が必要だ。

 製造業は人を育てるのに時間がかかる。人を集めるのも難しい。しかし、人材を育てなければ域内技術を高度化することができず、現状維持の衰退の道をたどらざるを得ない。

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 日本全国の特産品の海外販路拡大をめざす沖縄大交易会が11月27、28の両日、沖縄コンベンションセンターなどで開かれる。県は、県産品の県外販路拡大を支援するため、さまざまな補助事業を用意している。

 こうした新たな取り組みを有効に活用し、ビジネスにつなげることが重要だ。そのためにはやはり、人材力と技術力のパワー・アップが欠かせない。

 県産品の拡大によって自給率を高めることができれば、雇用の改善にもつながる。