首都圏より高い住宅手当をもらう「裕福」な米軍人や軍属を相手に、沖縄県内の外国人住宅ビジネスは膨らみ続けてきた。手当の額に合わせて、実際の価値以上の高額家賃を付けた物件も多い。しかし、最近は供給過剰で空き家が目立ち、曲がり角を迎えている。

ずらりと並ぶ外国人住宅。北谷町が設置した徐行呼び掛けの看板も英語だ=同町宮城

 「株でもうけた1億円を投資したい。軍用地より外国人住宅だ」。ある建築会社の役員は数年前、本土の客から相談を受けた。この客は軍用地より数倍早く元が取れる、と中古の外国人住宅を数軒買ったという。

 「当時はローリスク・ハイリターンの商売。今は市場が飽和状態で、ミドルリスク・ミドルリターンにもならないかもしれない」。7~8年前をピークに、家賃も下がり続けている。

 外国人住宅を扱う不動産会社でつくる全沖縄貸住宅協会の與儀朝祺(ちょうき)会長(79)。外国人住宅は全県におよそ7千戸、そのうち2千戸ほどが空き家だとみる。特に人が多い基地から離れたうるま市や、海が見えない物件は空き家が多いという。

 「建てよ増やせよ、で需給バランスが完全に崩れた」。住宅手当を当て込んだ数十万円の家賃のままでは県民の借り手はなく、かといって家賃を極端に下げれば家主の建築費返済が難しくなる。「悲鳴を上げている家主は多い。このままでは社会問題になる」と懸念している。

 空き家が増えた原因の一つは、基地内住宅の入居率が98%を超えて初めて、米軍が基地外居住を認めるようになったこと。それまでは95%超が条件で、より厳格になった。

 基地内で営業ができなくなったことも追い打ちをかけた。同業の三つの協会がそれぞれ事務員を嘉手納基地にある軍の住宅管理事務所に派遣し、物件を探す軍人らに直接紹介していた。それが昨年9月、「スペースを別の部署が使うから」と追い出されてしまった。

 與儀会長はため息をつく。「本当の原因はよく分からない。全ては米軍のさじ加減ですから」