県と県警が今月、飲酒運転根絶共同アピールを発表した。関係機関・団体も含め、12月まで飲酒運転防止を呼び掛ける県民運動の強化を推進する。

 県と県警が、飲酒運転根絶に特化したアピールを出すのは初めてだ。背景にあるのは、飲酒絡みの交通事故で、沖縄が依然として全国ワーストの不名誉な地位から抜け出せないでいることである。

 2013年の県内の交通死亡事故に占める飲酒絡みの割合は19・6%で、全国平均6・6%の約3倍に上った。人身事故に占める飲酒絡みの割合は約2%を占め、これも全国平均の0・72%を大きく上回り、24年連続の全国ワーストという記録を更新した。

 この傾向はことしに入ってからも続いている。14年上半期の統計では、飲酒絡みの死亡事故、人身事故の割合はいずれも全国平均を大きく上回っている。

 09年10月1日、県飲酒運転根絶条例が施行された。家庭や地域、職場での取り組みをはじめ、事業所での従業員教育、飲食店における飲酒運転防止呼び掛けなどに努めることを盛り込み、県民大会も実施している。

 施行から5年。それでも飲酒運転に絡む人身事故や死亡事故が、全国最悪で推移しているのはなぜなのか。

 飲酒運転常習犯の背景として指摘されるのが、アルコール依存症である。夜型社会や酒に寛容な風土なども絡んでいよう。酒害に対する認識や依存症治療を組み合わせた対策を講じる時期にきている。

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 県警と国立病院機構琉球病院が08年に行った調査で、運転免許の取消処分となった男性で飲酒運転の摘発歴がある人の約半数に依存症の疑いがあった。同病院精神科の中井美紀医師は「沖縄は依存症の疑いのある割合が他県より高い」と話す。

 07年に施行された改正道路交通法で飲酒運転の罰則が強化され、検挙件数は減少傾向にある一方、検挙者に「確信犯」的な傾向が目立っているのが気になる。

 県警が03年から11年にかけて、飲酒運転の摘発者に対し行ったアンケートで、飲酒運転に対する認識の低下が、この間でむしろ進んでいることが、浮き彫りになった。11年の調査で「最初から飲んで運転するつもりだった」と答えたのが約5割に上り、「捕まらないと思っていた」と回答したのが約3割。いずれも03年時の調査より増えている。背景の分析が必要だ。

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 本紙で連載した「代償 飲酒運転の果てに」で取り上げた、ある加害男性は、飲酒運転で男性1人を死亡させた。法廷ですすり泣く遺族に、罪の重さを実感し、胸が押しつぶされそうになった。取材に対し「たくさんの人の人生をめちゃくちゃにしました」と自責の念を語った。

 飲酒運転による事故の社会的損失はあまりにも大きい。アルコール依存症や社会的要因を視野に入れた重層的な対策が必要だ。飲酒運転が重大な犯罪であるとの認識をさらに浸透させ、根絶への機運を一層盛り上げていくことが求められる。