11月16日投開票の沖縄県知事選で、争点の一つとなるのがカジノ誘致の是非だ。安倍政権はカジノ導入に前向きで、国会にはカジノ推進法が提出されているが、世論の反対が根強く現状は審議が進んでいない。知事選に出馬表明した仲井真弘多氏(75)、翁長雄志氏(64)、下地幹郎氏(53)、喜納昌吉氏(66)もそれぞれ主張が異なっている。4氏の考えをまとめた。(選挙取材班)

カジノ賛否と理由

■県民の合意が前提 仲井真氏

 仲井真氏はカジノ導入は前回知事選と同様に県民の合意を前提とし、現時点で賛否は示していない。

 政策集では「法案審議を踏まえ慎重に検討を進め、導入は具体的構想・計画を示しながら県民のコンセンサス(合意)を得る」と明記している。

 陣営幹部は「導入が前提ではない。ただ、全国でも限られた地域が対象となるだけに観光立県として事前の研究、議論はあってしかるべきだ」と説明する。

■悪影響懸念し反対 翁長氏

 翁長氏は4人の中で唯一、反対することを主張している。

 その理由として、「自然や伝統文化などのソフトパワーにけん引される好調な沖縄経済や観光の将来に影響を及ぼしかねない」と指摘。「ギャンブル依存や地域環境にも影響が懸念される」とし、青少年や県民生活への悪影響を訴える。

 一方、国会のカジノ法案については「国が定めるものであり、コメントは差し控えたい」としている。

■法成立なら考える 下地氏

 下地氏は、法案が通っていない段階ではカジノを認める、認めないを判断できないとする立場。

 ただ、法が成立した場合は「県民としっかり議論しながら、沖縄におけるカジノの在り方を考えることも大事だ」としており、反対の立場は取らない姿勢を示している。

 一方、カジノ法案の国会審議の在り方では「丁寧にしっかり審議した上で結論を出してほしい」(陣営幹部)としている。

■条件を付けて賛成 喜納氏

 喜納氏は「条件付きで賛成する」との考えだ。

 「カジノのオペレーション(管理、運営)は県外企業になると思うが、運営に付随する飲食や清掃など関連業務で県出身企業を活用し、県内に雇用効果をもたらす必要がある」と指摘。

 また、関連するエンターテインメント事業で沖縄の伝統文化を活用することや、ギャンブル依存症対策として県民の入場規制をかけることも条件としている。

■公明慎重、成立は困難 カジノ推進法案

 カジノ推進法案は自民党、維新の党の前身の日本維新の会、生活の党が議員立法で昨年12月、国会に提出した。安倍政権はカジノを成長戦略の目玉に掲げ、今国会で成立を狙うが、公明党が慎重な上、2閣僚の辞任が国会審議に影響を与え、成立は困難な状況だ。

 政府はカジノを2020年東京五輪・パラリンピックをにらみ観光客を呼び込む起爆剤と位置付けている。ことし5月には安倍晋三首相自らシンガポールのカジノを視察し、導入への意欲を見せた。

 だが当初、誘致に積極的だった東京都は「青少年への悪影響を考えないといけない」(舛添要一知事)とトーンダウン。公明の井上義久幹事長も17日の会見で「ギャンブルに頼らない活性化策があるべき方向だ」とカジノ導入へ強い懸念を示し推進派をけん制した。

 さらに、法案を審議する衆院内閣委員会では政府提出の重要法案が重なり、参院では内閣委の委員長ポストを民主党が握るため与党が審議ペースをつかめないのが実情。小渕優子、松島みどり両氏の閣僚辞任で逆に野党が国会審議の主導権を握る形になっており、11月30日の会期末まで成立は極めて厳しくなっている。