沖縄タイムス社と琉球放送は25、26の両日、900人の有権者を対象に電話による知事選告示前情勢調査を実施した。今回の調査結果と4年前に実施した調査を比べると、いくつかの点で興味深い変化が生じていることが分かる。

 投票する際に何を一番重視しますかとの問いに対し、最も多かったのは「基地問題」で、全体の39・6%。次いで「経済の活性化」29%、「教育・子育て支援」13・2%、「福祉」8%の順だった。

 朝日新聞社と沖縄タイムス社が実施した4年前の告示後調査では「経済の活性化」が49%と最も多く、「基地問題」は36%だった。1位と2位が入れ替わったのである。

 前回の選挙では仲井真弘多知事が革新系候補と同様、米軍普天間飛行場の「県外移設」を公約に掲げたため、基地問題は明確な争点にならなかった。

 だが、今回は仲井真知事が埋め立てを承認し、防衛省が地元名護市の反対を押し切ってボーリング調査を進めている最中である。

 関心の順位が逆転したのは、新基地建設に対する県民の強い危機感の表れ、だと見るべきだろう。

 実際、承認に「反対」が61・8%だったのに対し、「賛成」は28・7%にとどまっている。普天間問題の解決方法についても、「国外移設」「県外移設」を合わせると76%に達する。

 菅義偉官房長官は9月10日の記者会見で「この問題(辺野古移設)は過去のもの」だと決めつけたが、有権者は決してそうは考えていない。

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 もう一つ、今回の告示前調査で特徴的なのは、自民党の支持率が19・8%なのに対し、支持政党なしのいわゆる無党派層が61・3%に上っていることである。

 他党に比べると、自民党の支持率は格段に高いが、それにしても無党派層の比率が高い。調査方法が異なるため単純比較はできないが、4年前の告示前調査で無党派層は22・2%だった。

 なぜ、そのような結果になったのか。知事選で保守陣営が分裂したこと、自民党に所属していた那覇市議が集団で辺野古移設に反対し処分を受けたこと。県外移設を公約に掲げて当選したにもかかわらず、国会議員や県議が辺野古容認に転じたこと-などが背景にある。

 無党派層の急激な増加は、政治不信の表れだ。公約を軽んじたり、説明責任を怠ったりすれば、代議制民主主義は成り立たない。その立て直しのためにも、「埋め立て承認」と「辺野古移設」を正面から争点にすえるべきである。

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 今回の調査では、埋め立て承認に「賛成」と答えた人は女性よりも男性が多く、逆に「反対」は男性よりも女性がかなり多かった。

 年齢別にみると、「20~39歳」「40~59歳」「60歳以上」の階層とも「反対」と答えた人が多かったが、とりわけ60歳以上は群を抜いて多かった。

 仲井真知事の埋め立て承認からおよそ10カ月が経過しているが、告示前の情勢調査は、辺野古移設に対する反対の根強さを物語っている。