「特定の地方自治体の選挙について政府としてコメントは控えたい」。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題を最大の争点にした県知事選が告示された30日、菅義偉官房長官は記者会見で素っ気なかった

▼公式コメントは予想はついたが、心中そう穏やかでないことは多くの人が察するところだろう

▼集団的自衛権の憲法解釈の変更に対する反発に始まり、今では閣僚スキャンダルと、夏までの「攻めの季節」は過ぎた。政権運営は守勢に転じている

▼年末には消費税の再増税判断を控え、来年は統一地方選挙などと重要日程が続く。知事選の結果は政権の命運を占う「一里塚」の位置付けとなるだろう

▼県民にとっては一里塚どころではない。将来の沖縄のありようを占う重要な分岐点といえる。最大争点の移設問題では、「容認」「反対」「取り消し」「県民投票」と、候補者4人の主張の違いは鮮明である。誰が選ばれるかによって移設をめぐる環境は変わり、政治にも社会にもいろいろな「化学反応」が起こるだろう

▼基地問題以外の政策もさまざまで、中には「ちょっとね…」と言いたくもなるものもある。期間中、体が大事なのは候補者だけではない。有権者には特に目と耳の健康に注意が必要である。公約に目を凝らし、訴えに耳をすまして、投票に臨みたい。(宮城栄作)