沖縄市立泡瀬小学校は12月、マイクや衣装、大道具などを使わない学習発表会を開く。演目は合唱や朗読、体の動きなどを織り交ぜる「総合表現」。子どもの肉声と身体表現だけで物語を紡ぐ。観客を意識し過ぎた「学芸会」から脱却し、子どもの可能性を広げようとする試みだ

 ▼赴任1年目の宮城和也校長は「誰かに見せるためでなく子どもの力を引き出す内容で毎日の授業につなげていきたい」と語る。「行事と学力は対立でなく、補完し合うもの」が持論だ

 ▼県教委の学力向上の大号令で、小中学校では行事の削減や簡素化が進んでいる。運動会を夏休み前、学習発表会を冬休み前に前倒しして練習を制限する例も増えた。行事を早めに済ませ、1~3月は次年度の全国学力テスト対策に集中、という方向性が主流化している。行事を学力の阻害要因と位置付ける風潮が気に掛かる

 ▼泡瀬小の練習風景を見た。立ち姿の美しさ、発声の力強さ…。学力のカギとなる集中力を養う狙いが結実しつつある。行事の活用も工夫次第だと実感できた

 ▼最も楽しそうに歌っていたのは学校を休みがちな引っ込み思案の子。「初めて見る姿。衝撃だった」と担任が驚いた。総合表現は全員が「主役」になれる

 ▼国語や算数が得意な子もいれば、行事で輝く子もいる。一人一人に多様な活躍の場がある方がいい。(田嶋正雄)