過去11回の県知事選は経済振興と基地問題が二大争点となってきた。その中で保守系の候補が経済振興策を前面に出し、革新系の候補が基地問題を重視する構図が続いてきた。

 しかし最近の傾向は、経済よりも基地を重視する有権者が増えている。沖縄タイムス社と琉球放送が先月実施した情勢調査では約4割の人が投票する際に「基地問題」を重視すると回答し、「経済の活性化」の29%を上回った。

 しかし、経済問題も重要であることに変わりはない。沖縄の経済振興は、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画に沿って進められており、他候補との違いを出しにくい側面がある。その中で4人の候補者はそれぞれ独自色をアピールしている。

 下地幹郎氏(53)は、米軍嘉手納基地の民間活用や電力料金引き下げなどによる所得倍増プランを掲げた。

 喜納昌吉氏(66)は、一国二制度による経済自立の推進を柱に最低限所得保障制度の離島への導入を主張する。

 翁長雄志氏(64)は、地理的優位性を生かし、物流拠点などで核となる「アジア経済戦略構想」の実現を掲げる。

 仲井真弘多氏(75)は、南北縦貫鉄軌道の導入など、沖縄21世紀ビジョンの実現に引き続き取り組むと強調する。

 テーマパークの誘致や南北縦貫鉄軌道の導入など観光関連や社会資本整備などそれぞれの振興策は多様だが、肝心なことは、政策の羅列に終わらせないことだ。実現に向けた具体的な手だてを有権者に説明してほしい。

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 経済政策の中で各候補者のの違いが鮮明に出ているのがカジノを含む統合型リゾート(IR)推進法案(カジノ法案)に対する姿勢だ。

 下地氏は、法案が通っていない段階では判断できないとするが、反対の立場はとらない姿勢を示している。

 喜納氏は「入場者を富裕層に限定して認めるべきだ」とと条件付き賛成の姿勢。雇用効果にも言及している。

 翁長氏は「自然や文化などにけん引される沖縄観光への悪影響が懸念される」として、反対の姿勢を示す。

 仲井真氏は「法案審議を踏まえ慎重に検討する」とし、導入は県民のコンセンサス(合意)を得るとしている。

 しかし、仲井真氏はカジノ誘致について以前、記者団の質問に「先に(候補地として)手を挙げないと競争に負ける」と述べている。選挙戦でその点をしっかりと県民に説明する必要がある。

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 県内景気は観光関連を中心に堅調に推移している。日銀那覇支店の9月の短観は、景況感を示す業況判断指数が10カ月連続プラスとなった。

 ただ、雇用情勢は依然として改善を要する点が多い。沖縄は非正規雇用の割合が高く、格差の固定化や貧困の連鎖などさまざまな問題を生み出している。アベノミクスに陰りが出るなど日本経済の不透明感が増している。足腰の強い県経済をどう構築していくのか政策をしっかり見極めたい。