小中学生のみなさん。

 新聞の1面の下にあるコラムを読んだことがありますか。その時々のニュースや話題をエッセー風にまとめた短い文章で、沖縄タイムスでは「大弦(たいげん)小弦(しょうげん)」のタイトルで毎日掲載しています。新聞の1面というとテレビ欄と勘違いしている子もいると聞きますが、テレビ欄は最終面で、新聞名が記された題字があるのが1面です。

 学校で新聞を教材として活用することをNewspaper in Educationを略しNIE(エヌアイイー)と呼んでいます。11月はその活動をPRする月間です。最近はコラムを使って書く力を高める取り組みも盛んです。

 その新聞コラムを活用した国語の公開授業が1日、県立総合教育センターで開かれました。興南中学校の2年生が、自分で書いたコラムを推敲(すいこう)し、「もっといい表現はないか」と仲間と話し合う、活気あふれる授業でした。

 新聞コラムは、だいたい「起承転結」の構成で、事実のデータやエピソードなど「例」を使って、記者の言いたい主張である「論」へと導きます。

 「宇宙に限界はない」という壮大な書き出しで始まった女子生徒のコラムは、五輪選手でもあったハンマー投げの室伏由佳さんの講演を「例」に、「自分で自分の限界をつくらず全力で進む」という「論」を展開していました。

 この授業は新聞の「読み手」から「書き手」へと立場が入れ替わることがポイントです。書くことで思考力や表現力も深まったといいます。

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 NIEの良さは、新聞さえあれば「誰でも」「いつでも」「どこでも」気軽に取り組めるところです。

 興南中のほかにも工夫を凝らした実践が、県内の教育現場で広がっています。家族で記事を読んだり、話し合ったりする取り組みはファミリーフォーカスといい、こちらも注目されています。

 「新聞は難しい言葉が多くて」と尻込みする子もいるかもしれません。でも大丈夫。

 ファミリーフォーカスの実践例から小学1年生の男の子の話を紹介します。

 動物が大好きで、新聞に載るかっこいい動物の写真をスクラップしていた男の子が、ある日、くちばしに釣り糸がからまったクロツラヘラサギの痛々しい写真を見つけます。釣り人のマナーに怒ると同時に、その関心はゴミ問題へと広がっていきました。

 これまで知らなかったニュースに接し、知的好奇心が刺激されたのでしょう。

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 文部科学省が全国学力テストと同時に実施した児童・生徒へのアンケートで、新聞を読む子ほど学力が高いという結果が出ています。

 現実の社会の仕組みを知るために新聞は有効な道具で、読む力や書く力だけでなく、興味や意欲も育ててくれるからだと思います。

 興南中の生徒たちは取り組みを通して、新聞は「難しい」から「面白い」に意識が変わったと報告がありました。

 NIEは続けることで力を発揮します。活字の栄養が血肉となって、将来の夢を後押しすることを願っています。