LED(発光ダイオード)照明による高速・大容量通信装置を開発したランプサーブ(那覇市、豊耕一郎社長)が、同社装置を使ったブロードバンド通信技術の導入に向けて、北欧エストニアと東欧アゼルバイジャン両国と覚書を交わしたことが3日分かった。先行するエストニアでは2015年度にも導入される見込み。(座安あきの)

可視光通信技術

 LED通信は、従来の光ファイバーケーブルを補完する省エネ・低コスト、高速大容量の新しい通信手段として世界的な注目を集めており、同社は沖縄発の通信技術として“世界標準”を目指す。

 LEDなどを使った可視光通信技術は、照明装置から発散する光(可視光線)にデジタルデータを乗せて無線で送受信する技術。ランプサーブは、一般的な家庭向け通信サービスの100倍もの容量の伝送技術を構築。振動に強く、降雨や降雪、太陽光などの影響をほとんど受けない独自システムを作り上げた。各装置は照明の光を双方向で送受信する。

 IT先進国のエストニアでは政府がいち早くランプサーブの技術に着目、2年ほど前から技術の導入に向け実証実験に協力してきた。現地での実証実験は最終段階で、成果を確認の上、15年度にも全約60万世帯向けの通信装置として導入を始める。

 同国から電子政府・通信システムを輸入しているアゼルバイジャン政府も、同社の技術採用に合意。9月30日、エストニアでアゼルバイジャン政府機関と導入に向けた覚書を交わした。

 同社は今年8月にエストニアに研究開発を担う現地法人を設立した。年内には共同事業による事業会社を国内に設立する予定で、準備を進めている。装置の組立工場は沖縄での開設を検討しており、県の国際貨物ハブ事業を活用した高付加価値製品の製造・輸出拠点として整備を目指す方針。

 豊社長は「普及が進むほど、より低価格でサービスを提供できるようになり、途上国などのインフラ整備にも貢献できる。沖縄から世界標準の技術として発信していきたい」と話した。

 【ことば】可視光通信 赤外線と紫外線との間の領域にある目に見える光(可視光線)を通信手段に利用する技術。LED(発光ダイオード)照明でデジタル情報を送受信し、電波を使った無線通信のようにデータ通信できる。省エネ・省コストで通信装置を取り付けることができるのが特徴。従来のLANケーブル、電線などに置き換わる省配線技術としても注目される。

 ランプサーブの技術では、1秒間に1億4千万回と人が感知できない速さで点滅する光で信号を送り、高速・大容量のデータ送信が可能となった。