沖縄の雇用問題の性格が変わってきた。完全失業率は全国に比べ依然として高い水準にあるものの、2011年から3年連続で低下し、改善傾向が見られる。これは明るい側面だ。

 その半面、不安定な非正規雇用が広がっており、雇用者全体に占める非正規職員・従業員の割合は全国一である(2012年)。

 07年の沖縄の非正規率は40・7%だった(全国平均35・5%)。12年には44・5%(全国38・2%)にまで拡大した。

 有効求人倍率が好調に推移する一方で、非正規労働の求人の割合は71・7%に達し、全国平均の59・5%に比べ突出している(13年度)。

 働く意思をもってハローワークを訪ねても、条件が合わず、自分が求めている仕事に巡り合えないことが多い。いわゆる雇用のミスマッチ(不適合)である。

 ミスマッチをどのように減らしていくか。きめ細かな取り組みが必要だ。建設業や飲食サービス業、福祉関連サービス業など、特定業種の人手不足も目立ってきた。

 沖縄の雇用問題は、決して明るい材料ばかりではないのである。こうした問題は経済の規模が大きくなれば自動的に解決するという性格のものではない。楽観視は禁物だ。 知事選では、特に非正規雇用問題への取り組みについて、現状認識と対策を分かりやすい言葉で語ってもらいたい。

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 下地幹郎氏は「所得格差の是正」を最大のテーマに掲げ、「働く女性の2人に1人が非正規雇用という現実を直視し、県があらゆる支援をしながら女性の正社員化を推進する」ことをうたっている。

 喜納昌吉氏は、雇用施策の項目を設けているわけではないが、格差解消に向けた最低限所得保障制度(ベーシックインカム)の導入や、観光大学の創設、高速双胴船の導入などの成長戦略を掲げる。

 翁長雄志氏は、職業能力開発の充実、雇用のミスマッチに対する支援強化、失業率の全国並みへの改善とともに、「非正規雇用などの問題に向き合い、格差社会の是正に取り組む」としている。

 仲井真弘多氏は非正規雇用の正規化の推進、雇用の質の改善、キャリア教育の充実などを掲げ、「『みんなでグッジョブ運動』を推進し、全国並みの完全失業率を実現する」と主張する。

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 完全失業率の改善や非正規雇用の正規化、格差の解消という点では、4氏の主張に大きな差はない。取り組むべき課題がはっきりしている、ということであろう。

 だが、県内企業は中小零細が圧倒的に多い。第3次産業に偏重した産業構造やコールセンターなどのIT産業の増加も雇用形態に影響を与えている。

 高校や大学を卒業したばかりの若者が非正規で仕事に就いた場合、正規雇用に移行するのは容易でない。非正規から正規への移行を支援し、推進する仕組みづくりが欠かせない。