「環境保全の観点から検討した」という沖縄防衛局の言い分をうのみにするわけにはいかない。新基地建設に向けた、なりふり構わぬ姿勢であり、環境影響評価(アセスメント)の趣旨をねじ曲げるものと言わざるを得ない。

 県環境部は、名護市辺野古の新基地建設埋め立て工事で沖縄防衛局から変更申請のあった美謝川の水路切り替え案など4件に対し、24件の意見を明記し、県土木建築部に提出した。

 焦点となった「美謝川の水路切り替えルートの変更」について、環境部は「環境影響評価書における環境影響の比較検討結果との整合に疑問がある」との意見を付けた。

 埋め立てによって河口部がふさがれる美謝川は、現行案では辺野古ダムから直接、北側の大浦湾へ水路を切り替える計画だった。防衛局はこの案が日の当たらない暗渠(あんきょ)(地下水路)部分より、光が差し込む「開水路」の比率が大きく「他の案に比べて生物への影響が小さい」などと有利性を説明し、環境保全への配慮を強調していた。

 ところが飛行場の地下に水路を埋設する変更案では、暗渠部分が多くなり、現行案の4倍以上に拡大する。環境部はこれに対し「生物への影響が大きい」「可能な限り開水路とする検討が行われたか不明」と厳しい意見を付けた。

 もっともである。防衛局はいったん不採用とした、環境負荷の大きい工法に近い案にあえて変更する矛盾をどのように説明するのか。情報を十分開示し、その理由を明らかにする責任がある。

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 辺野古ダム周辺から採取した土砂の運搬方法の変更も問題だ。現行案はダム上部に設置したベルトコンベヤーで土砂を運搬する。変更案ではベルトコンベヤー整備を中止、国道329号を使って土砂をダンプやトラックで運び入れる方法にするという。

 県の試算によると、1日592台のダンプが国道を走行する。環境部は交通量の増加に触れ「影響を回避するため複数案が検討されたか不明」と疑問視している。

 これら2件は、いずれも名護市が管理者となっている辺野古ダム工事に関連する。現行案では名護市の同意が必要となるため、同意を必要としない工法に変える狙いがあるとみられる。

 だが名護市は行政手続き上「不同意」を決めたわけではない。結論が出ない段階での変更申請は「名護外し」と、受け取られる。

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 桜井国俊沖縄大学名誉教授は「公有水面埋立法は、アセス法とは異なり、地元首長や住民が意見を言う機会もない」と批判する。埋め立て申請の前段階として実施された辺野古アセスは、オスプレイ配備など重要な事実を「後出し」するという県民を欺くようなやり方だった。今回の変更申請もしかりである。

 辺野古沿岸域は、県が環境保全指針で「自然環境の厳正な保護を図る区域」であるランク1に評価している地域である。変更は明らかに環境への負荷が強まる。疑問の多い変更申請であり、到底認めるわけにはいかない。