沖縄県内きっての骨董(こっとう)収集家・翁長良明さん(66)が小学生時代から集めてきた品々を展示する「収集60周年記念コレクション展・沖縄への思い」が、那覇市久茂地の市歴史博物館で開かれている。15世紀の琉球王朝時代に沖縄で初めて造られた貨幣「大世通宝」から、復帰を経た1978年の「車は左」への交通ルール変更(730)を伝える道路標識カバーまで、沖縄の歴史や社会を証す822点が並んでいる。

コレクション展で、琉球王朝時代とされる漆器を眺める翁長さん=4日、那覇市・パレットくもじ4階の市歴史博物館

 市内で古美術店を営む翁長さんは小学1年の時に首里城跡の周辺で古銭を拾った。以来、「今はくだらない物に見えても、50年後、100年後には貴重な資料になる」との思いから、壺屋焼や美術工芸品にとどまらずビール缶、牛乳パックなどあらゆる物を集め、約15万点を所蔵している。

 コレクション展には、朱漆に沈金やブドウ模様の螺鈿(らでん)が施され、首里城で使われたとされる17世紀の丸形重箱や黒漆に螺鈿でオシドリが描かれた18世紀の文箱など、王朝時代から戦前期にかけての漆器を展示。琉球処分直前の1876年に王府の元三司官・宜湾朝保が編さんした和歌集「沖縄集二編」も掲げている。

 戦後の資料も多彩で、国際通りの名称の基になった映画館「アーニーパイル国際劇場」の完成式典の招待状(1947年9月)や、沖縄芝居一筋に生きた名役者・大宜見小太郎が座長を務めた「大伸座」の結成10周年興行の案内状(58年4月)なども並ぶ。

 市歴史博物館の外間政明学芸員は「予算や人員などの制約から収集の対象を取捨選択せざるを得ない公共の博物館と違い、民俗文化を反映した品々を幅広く集め続ける翁長さんの情熱や努力は素晴らしい」と目を見張る。12月24日までで、期間中に展示品の入れ替えもある。入場は有料。