【平安名純代・米国特約記者】4日投票の米中間選挙のハワイ州知事選で、沖縄県系3世のデービッド・イゲ氏(57)(民主)が当選、全米で初めて県系の知事が誕生した。同氏が掲げた11項目の公約は経済や教育、観光などの分野で、軍事に関連する言及はない。在沖米海兵隊の移転や基地問題に関する政策は未知数だ。

 党候補を決める8月の予備選で、イゲ氏は現職のニール・アバクロンビー氏に大差で勝利。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが「知名度も資金力もほとんどない新人が現職を破ったのはハワイの歴史で初めて」と報じ話題を集めた。

 地元紙報道によると、イゲ氏はエンジニア出身で技術工学など産業分野の成長によるハワイの発展を主張、現職が打ち出した増税などを柱とする経済政策に異論を唱え支持を広げた。

 一方で、上院歳出委員長などを歴任し、議会で大きな影響力を持っていた同州出身の故ダニエル・イノウエ議員は生前、自身の後継にハナブサ議員を望んでいたが、アバクロンビー氏は違う議員を指名。日系コミュニティーが反発し、自ら信用を失う結果を招いたこともイゲ氏に加勢した。

 イゲ氏の父親トキオさんは、第2次世界大戦中に組織された日系米国人部隊の第442連隊戦闘団で従軍し、名誉戦傷章にあたるパープルハート勲章などを受章している。

 同じく442部隊所属のイノウエ氏は生前、米国に忠誠を誓い、米国のために戦った経験を誇りにし、軍とも近い関係を維持。存命中は、太平洋軍司令官など米軍幹部らは同氏を通じて予算面で優遇されてきた経歴もある。

 現職知事は、軍事建設拡大による経済効果を狙い、在沖米海兵隊の誘致なども唱えたが、財政難にあえぐ現状で米側の支出増につながる提案への理解はワシントンから得られなかった。

 沖縄との関係も深めたいと意欲を示すイゲ氏の手腕が注目される。