重度の自閉症を抱える作家・東田直樹さん(22)=千葉県=が7日、来県した。パソコンのキーボードを模した紙を指し示しながら語り、自らの思いを表現する。13歳のときの著書「自閉症の僕が跳びはねる理由」は20カ国以上で出版され、理解されにくい自閉症者の内面を伝えると注目を集める。うるま市石川で8日に開かれる講演に向け、東田さんは健常者にも共通する「生きづらさ」への理解や、社会に何が必要かを考える場にしたいと語った。

パソコンのキーボードを模した紙を使って、沖縄の印象などの質問に答える東田直樹さん(右)と、母・美紀さん=7日、うるま市石川・おきなか福祉会

 会話が困難な東田さんは意思疎通のため4歳から筆談を始め、8歳からキーボードのローマ字入力を使うようになった。

 著書はエッセーや絵本を含め17冊を数え、全国を講演で回る。

 母・美紀さん(52)は自閉症者や保護者、支援者らに同様のコミュニケーション方法を指導している。

 来県は2年ぶり2回目。7日、講演を主催する「おきなか福祉会」(うるま市石川)を訪れ、入所者と職員の歓迎を受けた。施設内で取材に応じた東田さんは質問に一つ一つ丁寧に答えてくれた。

 講演の来場者に伝えたいことを問うと「ぼくは自閉症という障がいを抱えています。けれども、その生きづらさは、ぼくたちだけが抱えているのではなく、普通の人たちにも共通するものだということが分かりました」。続けて「社会に何が必要かを多くの方に考えていただければと思っています」とした。

 沖縄の印象は「海がきれいで、とても美しいところだと思っています」。取材中にセミの鳴き声が聞こえると「ぼくは初めて聞く音なので大きく響いた」と少し戸惑う場面もあった。

 美紀さんは「直樹の存在が、同じ障がいを抱えて頑張っている人のお力になれれば」と話した。

 講演は午後2時から4時まで石川会館大ホールで。入場無料。