「まだ保育園児なのに、爪先で歩くんだよね」。階下のお宅から足音を注意され、自宅では昼間でも爪先立ちで過ごすようになった、と親がため息をついた

▼生活音は体調や時間帯によっても感じ方が違うし、サービス業の多い沖縄では夜働いて日中寝る人もいる。集合住宅ではトラブルのタネになり、子育て世代は気をもんできた。保育園などで遊ぶ声にも、それが広がるのだろうか

▼東京都が騒音防止を定めた環境確保条例で、子どもの声の除外を検討している(7日付第2社会面)。おいおい待ってくれよ、既に子どもの声を騒音扱いしていたのか、と目を疑った

▼調査では都内62自治体中、42自治体が子どもの声で苦情を受けたことがある。このため15自治体の保育園などは遊戯時間を短縮したり、6自治体は防音壁を設置するなどした。2自治体は住民の反対で保育園建設が中止や延期になった

▼一方で、40自治体は除外も含む条例の見直しの必要性を認めている。都は沖縄同様、待機児童の問題を抱え保育園の充実は必至。住民と板挟みになった格好だ。沖縄でも那覇市など人口密集地では、よそ事ではなくなるかもしれない

▼大人に「お互いさま」のゆとりがなければ、親も子も小さく縮こまる。子どもを伸び伸びと遊ばせられず、元気な声が響かない社会はなんとも寂しい。(与那嶺一枝)