約4千人の研究者が所属する日本生態学会など、自然史研究に携わる19の学術団体が11日、名護市辺野古の大浦湾を埋め立てる新基地建設工事の見直しを求める連名の要望書を沖縄県に提出した。同日、国にも要望書を送付した。19学術団体の連名による要請は異例。

沖縄県の担当者に、辺野古見直しを求める要望書を手渡す日本ベントス学会自然環境保全委員会の佐藤正典委員長(右)ら=県庁

 要望書提出の世話役を務めた日本生態学会自然保護専門委員会の加藤真委員長(京都大学大学院教授)、日本ベントス学会自然環境保全委員会の佐藤正典委員長(鹿児島大学大学院教授)、日本動物分類学会の小渕正美理学博士が県庁を訪れ、環境部の担当者に要望書を手渡した。

 要望書は、大浦湾一帯について「世界の生物多様性のホットスポットの一つと認識されているわが国の中でも、極めて生物多様性の高い地域」と指摘。また、国が実施した環境影響評価について「最近発見された未記録・未記載種が掲載されていないだけではなく、多様な環境が複合しているこの海域の特異性がきちんと評価されていない」と問題視している。

 その上で、工事手続きについて「環境と生態系を次世代に引き継ぐことを視野に入れた持続的な開発のあり方の視点から見直すこと」と要望した。

 また、未記録・未記載種や海域の特異性に関する再調査を実施し、「万全の評価」をするよう求めている。