那覇空港に到着する国際線の週間運航便数が12月で108便となり、初めて100便を超える見通しとなった。今年2月の新国際線ターミナル開業以来、月を追うごとに増加し、2013年度末の週49便に比べ倍の便数となった。中でもソウル(韓国)路線が12便から39便と伸びが大きく、最も割合の高かった台北(台湾)からの便数(33便)を初めて上回った。ただ、外国客の急激な伸びに空港の地上支援業務では人材確保が追いつかず、ホテルでは十分な部屋数を提供できない状況にあり、受け入れ態勢に“黄色信号”がともり始めている。(座安あきの)

那覇空港における国際線の週間就航便数の推移

 県が国や地域別に展開している誘客事業に、円安による旅行需要の拡大が追い風となり、就航便数とともに外国人観光客も急増。14年度上半期(4~9月)の入域客数は前年同期比約50%増の53万7500人となった。

 沖縄に就航する国際線は10年度まで20便前後で推移してきた。県は国際線ターミナルの拡充に向けて、外国客誘客の事業予算を増額。14年度は海外誘客関連の「国際化ビッグバン事業」に総額24億8779万円(当初)を投じ、市場別の特性に応じたプロモーション事業を展開。航空会社や旅行社の広告宣伝費助成や、メディアを招待した沖縄特集の記事・番組制作など多方面から施策を仕掛け、沖縄の認知度向上に取り組んだ。

 一方で、空港で手荷物の搬送や出発手続きなどを担う地上支援サービスのハンドリング業務では人手不足に頭を抱えている。エアーエキスプレス(那覇市)の沖山真樹社長は「本年度から人員増強を計画し募集をかけてきたが、想定していた以上の就航数で確保も教育も十分に行き届かない状況」と説明する。

 県はハンドリング業務に特化した雇用助成で支援するが、一定程度の語学能力やコミュニケーション力が求められる業務内容なため、賃金面でも人を集めにくい実情があるという。

 さらに、沖縄に就航する海外航空会社や旅行社がもっとも懸念しているのがホテルの確保だ。

 これまでは閑散期や景気低迷の「谷間」に利用が見込めた外国客向けに割安な価格で部屋を提供できた。通年で来訪が増えた現状では好調な国内客の需要に押され、単価の安い外国客には部屋をあてられない状況にある。

 北部のリゾートホテル幹部は「円安のレートも含め、単価を上げていく交渉を本格的にしなければ十分な部屋数を提供するのは難しい。国内客と価格が対等になれば、国内旅行社が抑えている部屋数を減らして外国客に割り当てることも可能になる」と指摘する。

 外国客の急増がもたらす沖縄観光の構造変化に、県や業界挙げて対策を検討する必要がある。