政治への無関心、選挙の投票率低迷が叫ばれて久しい。選挙権の重みを忘れたわけではないけれども、有権者は日々の暮らしに追われる。どうすれば市民と政治の距離を縮められるのか。歴史的な審判になるといわれる今知事選。個人が投票するまでの軌跡をたどり、ごく“普通”の人々が悩み、葛藤する等身大の姿をつづる。

■離島振興 問いたい(自営業51歳・宮古島市)

 昔は保守と革新という対立構図だったが、様変わりしてしまったね。今回は、保守同士の戦いでもあって時代が変わったんだなぁ、としみじみ実感しているよ。

 最大の争点として基地問題が挙げられているけども、米軍基地のない宮古の人間は不思議がっている人も多いんだよ。あまりにも基地問題がクローズアップされすぎて、じゃあ離島振興は、どうするのかって。

 それぞれの生活が懸かっているから経済も切実な問題だろ。その辺がないがしろにされそうで気にはなるなぁ。

■やっぱり基地問題(事務職65歳・宜野湾市)

 今回の判断材料は、やっぱり基地問題。もちろん、宜野湾市民としては普天間飛行場はなくなった方がいいけど、辺野古の海を埋め立ててまで、新しい基地を造っていいとは思わない。

 辺野古を止めると言っている候補者もいるけど、本当に止めることができるかしらね。これまで、首相が「県外」と言ってもできなかったことでしょ。

 夫は保守系候補を支持する企業にいたから、4年前の知事選は私もその人に入れた。一括交付金とか、経済の面では良かったけど、今回は分からないね。

■カジノも気になる(子育てママ41歳・名護市)

 知事選で気になるのは、やはり基地のこと。名護出身だし、3歳、5歳の子どもの将来を考えると、責任は重いですよね。地元は市街地ですが、2年前に久志へ赴任し、目の前のきれいな海に基地ができるのかと実感しました。

 オスプレイが飛ぶと「今の振動、何?」と思うし、抗議の船が出て行くのも見ます。本当に基地が来るとなると…。最後まで抵抗し続ける方がいい。

 4候補者とも子育ては少ししか触れていないですが、基地やカジノも遠い話のようで、実は子育て同様身近な問題だと思います。

■意思表示に尻込み(大学院生23歳・豊見城市)

 不動産業の父親(56)が政治好きだった影響で選挙には毎回行っている。初めての知事選だけど、やっぱり辺野古の問題が大きいかな。基地に近い大学に通うようになって、基地を身近に感じるようになった。

 友人とは、政治は話題にならない。そんな話をしたら浮いてしまう。僕ら「ゆとり世代」は、ネット上の情報に流されて、自分の意思を示すことに消極的な人が多い。反対意見を言うのも面倒くさいし、突っ込まれるのも怖い。実は、候補者の政策はよく分からない。みんな揚げ足取りをしている気がする。