東京で木枯らしが吹いたころに火ぶたが切られた県知事選。県内最大の政治決戦に関心を寄せ、審判の日まで「あと何日」と数えてきた県民は多いだろう

 ▼候補者が票の掘り起こしに踏ん張る最終盤になって吹き荒れ出したのは、政界の「解散風」である。知事選の結果も見届けぬ前の風雲急を告げる動きは、さながら週末ごとに襲来する台風を思わせる。「えっ、また~」と、有権者がもらす嘆息が聞こえそうである

 ▼来週に衆院を解散し、来月14日にも投開票が見込まれる。永田町には選挙区での活動に専念したい議員も少なくないようで、法案審議では欠席者が目立つという

 ▼与党も最小限成立させる法案の仕分けに取りかかったというから、政局にうとい身には「いやはや…」とため息も出る

 ▼原発再稼働の判断、集団的自衛権行使容認を踏まえた安全保障法制の整備などを控え、安倍晋三首相は今後の支持率低下を懸念しているとの見方がある。その前に、反対が強い消費税の再引き上げを延期して選挙に臨めば、負けずに長期政権の足場を固められると踏んでいよう

 ▼解散風は止まらないが、「解散の大義は」との問いも付きまとう。700億円もの国費がかかるとされる総選挙である。シナリオ通りに事が運ぶかどうか。有権者はまずその大義を厳しく見つめるに違いない。(宮城栄作)