きょう投開票される沖縄県知事選は「基地問題」への注目度が近年の県内主要選挙と比較しても異例の高さとなり、4候補ともに米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設への対応を政策の中心に据えて舌戦を展開した。普天間問題の当事者である名護市でのことし1月の市長選が辺野古賛否に対する市民投票の意味合いを持ったのと同様に、知事選の結果は県民による辺野古移設の審判となる。

オスプレイ(手前)と空中給油機がある普天間飛行場=2014年8月28日

 普天間問題が最大争点であることは政府と与党自民党の対応を見ても明らかだ。菅義偉官房長官はことし9月に普天間問題について「過去の問題だと思っている」と発言したものの、選挙戦では菅氏本人を含め閣僚や党幹部が連日沖縄入りし、「普天間問題の解決のメドを付ける」とする現職を応援した。政府にとって、辺野古で進める移設作業を左右する選挙と位置付けていることが浮き彫りとなった。

 今回の知事選では辺野古移設をめぐる保守分裂や、保守・革新の枠組みを超えた勢力の誕生など県内政局の変化も特徴だ。同時に、沖縄タイムスと朝日新聞社、琉球朝日放送(QAB)が実施した世論調査では政党支持層は3割にとどまり、無党派層が7割となり、前回の10年知事選での6割から増加したのも特筆すべき事項だ。

 背景には、2009年の政権交代で普天間について「最低でも県外」とした民主党政権の辺野古回帰や、一時は県外を掲げた自民党県連の12年末の辺野古容認などによる政治不信があるとみられる。

 調査では無党派層が重視する政策も基地問題が約半数を占めた。有権者の“政治離れ”に歯止めをかける意味でも、各候補者には当選後の公約の堅持、政府には選挙で示された結果を受け止めた普天間問題への対応が迫られる。

 当然、基地問題だけでなく各候補者の経済、子育て、福祉など生活につながる政策への期待も有権者の一票に込められる。16日の投開票で県政のかじ取りを託される候補者は政策実現に向けた努力も求められる。(選挙取材班・銘苅一哲)