ファッション雑誌やテレビ、映画、コマーシャルにミュージックビデオと幅広い分野で「着物」を武器に活躍中の押元末子さん。現在、ミス・ユニバース世界大会日本代表の衣装の最終的な仕上げに取りかかっているところだが、さらにミス・ワールド日本代表の衣装も担当することが決定した。山野流の着付け師であり、デザイナー、スタイリストでもある押元さんがミス大会で披露するのは、日本の伝統的な着物に現代的でダイナミックなアレンジを施したオリジナル作品だ。

ミスユニバースの日本代表の衣装の制作に打ち込んでいる押元末子さん=カリフォルニア州のスエヒロ・キモノ・エージェンシー

 北中城村出身の押元さんは故郷沖縄から、1999年の年末に38歳で渡米を決行した。ラスベガスの高級ホテル、「ベラッジオ」で働きながら、ロサンゼルスで待つ生徒のための着付け指導を、自動車で片道6時間という遠距離通勤で数年続けた後、2010年にカリフォルニアにスエヒロ・キモノ・エージェンシーを設立した。着物の美しさを世界に発信するという使命感の下、エンターテインメントの本場で活動を開始したわけだが、その足がかりにもなったのが、2008年に手がけたファッション誌、ヴォーグジャパンのハイファッションのスタイリングの仕事だった。

 「フランス人のカメラマンとスタイリストは、以前にフランスで着物をモチーフにした撮影を行った時、ある人にスタイリングを依頼したが伝統の着付けしかできず、フランス流のアレンジにするのが非常に難しかったという経験を話してくれた。私は彼らの『クラシックはいらない』というリクエストに応えて、フランス風なアレンジに努めた」

 そして、会社設立4周年の今年、うれしいニュースが相次いだ。テレビCMで有名モデルのミランダ・カーの着付けを担当し、ロサンゼルス州立美術館(LACMA)では着付けのデモビデオを展示。7月には全米日系人博物館でのファッションショー、さらに、ファッション映画「キッス・オブ・ア・サイレン」でのコスチュームデザインの仕事が高く評価され、押元さんはラホヤ国際ファッション映画祭で日本人初となるベストコスチュームデザイン賞を受賞したのだ。

 さらに2つのミス大会で日本代表の衣装デザインも手がけている2014年は、押元さんにとって大きな飛躍の年となった。(ロサンゼルス通信員・福田恵子)