新人の翁長雄志氏は那覇市長(県市長会長)の立場で普天間飛行場の県内移設反対の県民運動の先頭に立ってきた実績と知名度で、名護市辺野古での新基地建設に反対する県民世論を追い風にし、現職の仲井真弘多氏ら3氏に大差をつけて勝利した。

当選確実が決まり、立ち上がり握手する翁長雄志氏(左)と呉屋守将選対本部長=16日午後8時すぎ、那覇市壺川の選挙事務所

 「普天間」の県内移設反対、オスプレイの配備撤回などを政府に求めた「建白書」の実現を掲げ、「オール沖縄」の呼び掛けに県政野党や那覇市議会保守系の新風会、経済界有志ら保革を乗り越えた県政史上初の選挙態勢が奏功した。

 移設に反対する公明県本が自主投票を決め、知事選で2002年以来、保守系候補を支援するために構築されてきた自公体制が崩れたことも翁長氏に有利に働いた。

 政策面では、辺野古新基地建設反対を訴え、現知事による昨年12月末の辺野古埋め立て承認に反対する民意を取り込んだ。経済面の基本路線は現県政で策定された「沖縄21世紀ビジョン計画」の推進を掲げたことで、経済界や保守層にも食い込んだ。

 沖縄タイムスと朝日新聞、琉球朝日放送(QAB)の出口調査では、翁長氏は社民、共産の支持層の9割を固めた。自主投票の民主の大半、公明の約35%の支持を得て、自民支持層の2割も取り込んだ。有権者の4割弱を占める無党派の6割の支持を得たのが大きかった。

 翁長陣営は、序盤から先行する展開だったが、寄り合い所帯による上滑りの懸念もつきまとった。

 しかし、保守系と革新系の選対幹部がほぼ毎朝、会議を持って互いの取り組みを確認。報道各社の調査で優位な情勢が出ても、「県民意思を示すには圧倒的な勝利を」と、有効投票総数の過半数、さらには40万票獲得を目標に掲げ、引き締めた。

 告示後の1万人規模の総決起大会、三日攻防に入ってからの那覇市内での大規模な街宣「Vロード作戦」、期日前投票呼び掛けの徹底、最終日も5千人規模での集会で締めくくるなど、最終盤まで余念がなかった。(選挙取材班・石川亮太)