中城新港内でパナマ船籍の貨物船と日本船籍の土砂採取船「第十八北栄」が衝突した事故で、中城海上保安部は16日、採取船の船尾から米軍泡瀬通信施設まで幅3メートル、約1キロにわたる重油の流出を確認した。採取船は新港埠頭(ふとう)の南東約1キロ付近で横転。海保はオイルフェンスを設置し、半径150メートル以内で一般船舶の航行・停泊を禁止した。17日以降も油の除去作業を実施する。

パナマ船籍の貨物船との衝突で横転した日本船籍の土砂採取船=16日午後2時45分ごろ(沖縄市漁協提供)

 沖縄市漁協によると、油が流れ着いた施設近くにアオサ養殖場があり、ほとんどの網に油が付着していた。事故現場周辺は、刺し網漁の漁場の一つだが、漁ができない状態だという。

 池田博組合長は「砂の中にも油が浸透し、除去しないと養殖が再開できない。アオサは今期の収穫は厳しい。17日以降も除去作業を続ける」と話した。中城湾で環境保全に取り組むNPО法人「INО」の柳田一平代表は「干潮時に岩肌に油が付着すれば、干潟に生息する生き物に影響が出る恐れがある」と懸念した。

 中城海保によると、15日午後7時半ごろ、中城新港を出港した貨物船が入港中の採取船右舷側に衝突。日本人乗員5人は貨物船が救助し、けが人はいなかった。海保は業務上過失往来危険の疑いも視野に当時の状況を詳しく調べている。