新人の翁長雄志氏が現職の仲井真弘多氏を破り初当選したことで16年間続いた自民・公明による保守中道県政は崩壊した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を政府に求める「建白書」の実現を目指す保守・革新を超えた“建白書勢力”による県政誕生となり、1968年の主席公選から続いてきた保革が対立する構図「68年体制」の流れが変わった。(選挙取材班・銘苅一哲)

 翁長氏を中心に、那覇市議会の保守や社民、社大、共産、生活、県民ネットでまとまった建白書勢力は同日選挙の那覇市長選でも勝利し、次期衆院選などの主要選挙へのはずみをつけ、県内政局で主導権を握ることを確実にした。

 安倍晋三首相が消費増税をめぐり12月の解散総選挙に踏み切ることが確実視され、県内政局も衆院選に焦点が移る。衆院選は、建白書勢力が県内政治の新潮流として基盤を固められるかの試金石となりそうだ。

 建白書勢力は17日から、衆院沖縄選挙区で空白区の候補者擁立や政党協力を含めて対応を協議する。ただ、政党の枠組みを超えた団結が強みの建白書勢力にとって、政党選挙となる衆院選の人選は容易ではない。調整がこじれた場合は基盤が瓦解(がかい)しかねない。

 県政を明け渡した自民の痛手は大きく、衆院選に向けた立て直しが迫られている。衆院での現有4議席を死守できるかが、県内政局での存在を保ち得るかの正念場だ。

 沖縄の自民選出の現職4氏は前回2012年の衆院選で普天間の県外移設を公約として当選、その後、辺野古容認に転じた。衆院選でも普天間問題の争点化は避けられず、普天間飛行場の危険性除去のために辺野古容認したという判断で県民の信を問う選挙となる。

 辺野古移設反対の公明県本部は知事選で辺野古埋め立てを承認した現職を推薦せず自主投票とし、県内の自公体制が崩れた。衆院選は国政選挙として従来の「選挙区は自民、比例は公明」の協力を基本に議論が進む見通しだ。だが、知事選同様に普天間問題が争点となる衆院選で、辺野古を容認する自民候補を推薦するかが注目され、政策の整合性が問われそうだ。