【西原】毎朝仏壇を拝んで「自分の葬式」をする-。もはや昨日の自分ではないという気持ちでオリジナルのショートコントや歌を作り、老人施設の慰問を続ける人がいる。西原町池田の比屋根和吉さん(67)。「1人だと不審者だから」と笑い、友人の玉那覇純義さん(64)、黒木雪子さん(65)を誘ってお笑いボランティア「ハッピー☆ボケ愛好会」を結成した。(平島夏実)

自作の「筋肉貯金音頭」に合わせて踊る比屋根和吉さん(右端)=10月18日、西原町の介護老人保健施設「池田苑」

舞台用に買い集めた帽子が10個になったと喜ぶ比屋根和吉さん=13日、西原町池田の自宅

自作の「筋肉貯金音頭」に合わせて踊る比屋根和吉さん(右端)=10月18日、西原町の介護老人保健施設「池田苑」 舞台用に買い集めた帽子が10個になったと喜ぶ比屋根和吉さん=13日、西原町池田の自宅

 師匠は喜劇王、チャールズ・チャプリンだ。

 「チャプリンは、最高傑作は何かと質問されて『次回作だ』と答えたさーね」

 日々精進する姿にほれ込み、仏壇に365日手を合わせて昨日の自分に別れを告げるようになった。

 「これ、友達3人の会話ね。…ねえ大学どこ? 『東大です』『琉大です』『僕? チルダイです』」

 「1銭マチヤーのおばさんと子どもの会話ね。『おばさん、2足す2は?』『5』『何で?』『1はシーブン(オマケ)ぐゎーさ』」

 作詞作曲もする。

 「使えばなくなるお金の貯金♪ 使えば増える筋肉貯金♪ みんなで増やそう筋肉貯金」(『筋肉貯金音頭』)。

 扇子を持ってゆらゆらと踊り、閻魔(えんま)大王に「芸のないやつは地獄行きだ」と言われないよう特訓したという複音ハーモニカを吹く。

 お年寄りに笑ってもらえる舞台を作るためだ。

 中学生までは「赤ちょうちん」(赤面症)。30代後半まではバスの運転手だった。時間も仕事内容も決められていることが苦しく、いつか自由に生きたいと考えながらハンドルを握っていたという。今はタイルの張り替えなどをするリフォーム会社の代表だ。「心のリフォーム」もやりたいとお笑いボランティアグループをつくった。

 ひょうきんな比屋根さんだが、実は息子を病気で亡くしている。定年後、あっという間に脳梗塞で倒れた友人もいる。だからこそ、元気なうちに何かしたいと体がうずく。寝たきりのお年寄りを訪ねる“お笑いの宅配”もしたいと考える。67歳の決意は固い。

■「筋肉貯金音頭」動画