安倍晋三首相が18日にも衆院解散を表明する意向を固め、沖縄選挙区でも、現職7氏が選挙準備に乗り出すとともに、新たな候補者を擁立する動きが加速している。16日の知事選で米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する翁長雄志氏(64)が当選した影響は大きく、全国的な争点になる消費増税だけではなく、普天間問題でも激しい論戦が繰り広げられる見込みだ。県政を失い痛手を負った自民は現職4議席の死守を目指す。現職議員を擁立する社民、共産、生活も支持拡大に力を入れる。普天間の県内移設断念を政府に求める「建白書」の実現を掲げ、翁長氏を勝利させた勢力の動向が選挙戦の大きな目玉になりそうだ。

■1区 自民、態勢立て直し

 2012年衆院選の沖縄1区で当選した国場幸之助氏(41)=自民=が2期目に挑戦する。国場氏の選挙を支えてきた那覇市議の一部が知事選の対応をめぐり、自民を離れた。態勢の立て直しと、自公共闘の維持が課題になる。

 前回選挙区から出馬し、比例で復活した赤嶺政賢氏(66)=共産=は知事選で新県政を誕生させた建白書勢力との協力を視野に入れる。共産党県委員会関係者は「原則は選挙区と比例の重複だが、知事選での枠組みも大切だ」として比例単独に含みを残す。

 民主党県連は連合沖縄や建白書勢力との協力関係構築が最優先とし、特定の候補は決まっていない。ただ、今後の協議で県連代表の花城正樹氏(36)を擁立する可能性もある。

 知事選で敗れた元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)の国政復帰を待望する声もある。前民主党県連代表の喜納昌吉氏(66)は1区か3区で検討している。

■2区 保革の一騎打ちか

 前回衆院選、革新勢力で唯一選挙区を勝ち抜いた現職の照屋寛徳氏(69)=社民=が立候補する。知事選に続き争点化される見込みの普天間飛行場返還問題などを中心に訴え、これまで築いた基盤を生かして衆院5選を目指す。

 前回、比例復活した現職の宮崎政久氏(49)=自民=は選挙区でのリベンジに挑む。革新地盤とされる2区で、自民の協力関係にある宜野湾市、浦添市の両市長との連携を図り、県議や市町村議員と運動を展開する見通しだ。

■3区 現職2氏に新顔か

 現在1期目の比嘉奈津美氏(58)=自民=の出馬が既定路線となっている。出身の沖縄市で今年5月の市長選で自公による桑江朝千夫新市長を誕生させており、市政交代の勢いを衆院選に生かすとみられる。

 比例当選の玉城デニー氏(55)=生活=は選挙区で3選を狙う。社民など知事選を同じ枠組みの中で戦った政党などとの協力を視野に入れている。

 維新の会県総支部は独自候補擁立を含めて対応を検討。党本部から候補者擁立の指示が出た場合には、元金武町長で実績や知名度がある儀武剛氏(53)の名前が上がりそうだ。

■4区 現職に対抗馬模索

 自民党県連会長で現職の西銘恒三郎氏(60)が立候補する。9月の第2次安倍改造内閣では県出身議員で初めて総務副大臣に就任。国土交通政務官などの実績をアピールし、4期目を目指す。

 これに対し、知事選で翁長氏を支援した建白書勢力は独自候補の擁立を摸索している。県商工会連合会会長で、「建白書の実現を求める島ぐるみ会議」の発起人に名を連ねた照屋義実氏(67)の擁立が取りざたされている。経済界とのパイプも太く、知事選選考でも一時、野党から名前が挙がった。南部の首長で唯一、翁長氏支援に回った南風原町長の城間俊安氏(66)を推す声もある。

■県内政党、枠組み議論に熱

 年内実施が濃厚となっている衆院の解散総選挙に向け、県内政党も動き始めた。現職7人の擁立はほぼ確定。自民党と公明党は知事選で崩れた協力体制を維持できるのか、翁長氏を支援した県政野党の「建白書勢力」は議席増を狙うのか。各党の選挙協力や枠組みの議論が加速しそうだ。

 自民党県連(西銘恒三郎会長)は17日に国会議員でつくる「かけはしの会」や一部役員が協議。1~4区で支部長を務める現職4氏の出馬がほぼ確実だ。18日の県連役員会で再度対応を話し合う。社民党県連(新里米吉委員長)は2区で現職の照屋寛徳氏を擁立する。19日の執行委員会では空白となっている4区の対応なども協議する。

 公明党県本部(糸洲朝則代表)は17日現在で協議の場などは未定だが「選挙区は自民、比例は公明」との選挙協力は従来方針で対応するとみられる。共産党県委員会(赤嶺政賢委員長)は前回1区で出馬し、比例当選した赤嶺氏を擁立する。全選挙区での候補者擁立が原則だが、18日の常任委員会で赤嶺氏を前回同様に比例と選挙区の重複とするかなど議論する。

 そうぞう(當間盛夫代表代行)は前代表で元郵政民営化担当相の下地幹郎氏の衆院選擁立も視野に入れ、協議する。維新の会県総支部(儀間光男代表)は週内にも会議を開き、候補者擁立も視野に入れた対応を協議する。

 社大党(糸数慶子委員長)は知事選を戦った建白書勢力との協力を確認。今後、他党や候補者擁立の状況を注視する。民主党県連(花城正樹代表)は17日の常任幹事会で選対本部を設置。「反自民」の政治姿勢の下、連合沖縄や翁長県政を誕生させた県内政党との協力を最優先としている。

 生活の党県連(玉城デニー代表)は16日に選対本部準備会を開き、前回比例で当選した現職の玉城氏を3区で擁立する方針を確認した。