【糸満】日本工業大学機械工学科(埼玉県)の学生ら4人と、糸満海人文化を保存・継承するNPO法人ハマスーキの上原謙理事長が14日、縮小版のマルキンニ(丸木舟)をほぼ完成させた。石器しか道具がなかった昔の人々が、石おのでどのように舟を製作していたのか、検証する試み。上原理事長は「電動工具で作ったことはあるが、石おのだけでは初めて。予想より10倍の労力がかかった」と苦笑した。完成品は糸満海人工房資料館に展示する。(下地広也)

マルキンニ(丸木舟)を、石おので製作した日本工業大学の学生らとハマスーキのメンバー=市西崎町・糸満海のふるさと公園

 製作期間は4日間。長さ180センチ、幅30センチで、実物の3分の1ほどの大きさの舟に仕上げた。やんばる産イタジイを、水にひたして柔らかくして、両刃と片刃の石おの2種類を使って木をえぐった。その後、サンゴのかけらクサビライシで、舟の表面を磨き上げた。

 特別研究員の基昭夫さんは「切る、削る、整えるなど用途に応じた複数の石おのが必要と分かった。2種類だけでは、作業が遅い。当時の人も大小さまざまな石おのを使い分けていたと思う」と推測した。

 機械工学科4年の赤田浩明さんは「刃先を研磨する角度を調べ、切れやすさを数値化し、卒論でまとめたい」と意気込む。神雅彦教授は「シリコンやセラミック加工、研磨の切削などを学ぶ学生が、経験を基に知識を広げ、新たな工作機械の開発につなげてほしい」と期待した。