沖縄タイムスは、基地問題の大きな節目となる選挙や県民大会が開かれるたび、本土各紙の論調を紹介している。

 政府と全国世論への影響を及ぼす本土メディアの「伝え方」が重要と考えるからだ。

 米軍普天間飛行場の移設問題が最大の焦点になった知事選の結果を受け、今回も全国紙・ブロック紙・地方紙の協力を得て、知事選翌日の17日付で掲載された各新聞社の社説を18日付紙面で紹介した。

 ブロック紙・地方紙は「政府は重く受け止めよ」(中国新聞)、「重い『移設ノー』の民意」(京都新聞)、「辺野古移設は中止を」(信濃毎日新聞)など沖縄の民意をくみ取り、政府に移設見直しを促す主張を展開している。

 一方、全国紙は論調が分かれた。朝日新聞は「辺野古移設は白紙に戻せ」、毎日新聞は「白紙に戻して再交渉を」との見出しで、政府に移設計画の白紙化を求めている。

 これに対し読売新聞は「辺野古移設を停滞させるな」との見出しを掲げ、政府・与党に「辺野古移設の作業を着実に進めることが肝要である」と唱えている。

 読売新聞は、1月の名護市長選で移設に反対する稲嶺進氏が再選された際の社説でも「普天間移設は着実に進めたい」とのタイトルで、辺野古移設推進を訴えた。

 この中で「そもそも、在沖縄海兵隊の輸送任務を担う普天間飛行場の重要な機能を維持することは、日米同盟や日本全体の安全保障にかかわる問題だ。一地方選の結果で左右されるべきものではない」と論じている。

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 菅義偉官房長官は17日の記者会見で、翁長氏の知事選当選を受けた政府方針について「辺野古移設が唯一の解決策と一貫している。粛々と進めていきたい」と述べた。

 米国務省のラスキー報道部長も、知事選の結果にかかわらず「日米間の合意を遂行」する意向を示した。

 こうした中、沖縄防衛局は知事選から3日後の19日、辺野古の新基地建設に向けた海上作業を再開した。

 民意を踏みにじる政治が平然とまかり通る現実を「本土側」はどう捉えるのか。

 辺野古の新基地建設は国策といえども、住民の生命財産に直結し、沖縄の将来を大きく左右する問題だ。知事選で「基地問題」が最大の争点に浮上したのは、有権者の多くがそう認識したからだろう。日本全体の安全保障にかかわる問題だからこそ、普天間問題を沖縄に封じ込めるべきではない、と考える。

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 翁長雄志氏は19日、シュワブ前で座り込みを続ける人々を前に「ウチナーの思いを、本当の民主主義とは何なのかを、沖縄からしっかり発信していく」と決意を述べた。

 毎日新聞は17日付社説でこう指摘している。「翁長氏の勝利は、日本政府と本土の一人一人に根本的な疑問を突きつける。なぜ沖縄の現状に無理解で無関心なのか。なぜ沖縄の民意に真剣に向き合わないのか。それは民主主義にもとるのではないか、と」

 問われているのは日本本土の人々の当事者意識と、この国の民主主義の成熟度だ。