県産ヤギ1キロ当たりの競り価格が10月に雄1376円、雌1080円となり、県内で競りが始まった2000年以来、最高値を記録した。ことし8月から過去最高を更新し続けており、10月の競り価格は過去14年間平均の3~4割高。農家戸数・飼養頭数が減少する一方、ヤギ肉と血圧上昇の関係を否定したことし1月の研究発表以降、需要が高まり、供給が追いつかず、価格上昇に拍車を掛けている。(新垣卓也)

ことしに入って価格が高騰しているヤギ競り=8月、糸満市武富・南部家畜市場

ことしに入って価格が高騰しているヤギ競り=8月、糸満市武富・南部家畜市場

 南部家畜市場では2000年から年間3~6回、県内で唯一、県産ヤギの競りが行われている。2000年から13年までの平均競り価格は雄931円、雌620円とほぼ横ばいを続けていた。

 しかし、ことし2月に雄886円、雌649円だった価格が、4月に雄1191円、雌891円と上昇。その後も右肩上がりで推移し、8月の競りでは雄1348円、雌961円となり過去最高、10月も最高値を更新し、雌は初めて1千円台に乗った。

 雄雌を合わせた1頭当たりの平均価格も、ことし4~10月時点で5万4385円となり、前年平均を約1万2千円上回っている。

 価格上昇の背景には頭数の減少と需要の高まりがある。県内の飼養戸数・頭数は04年度に1678戸・1万1763頭だったが、13年度は1225戸、7773頭。飼養戸数で27%、頭数で34%減少している。

 県によると、ヤギ農家の9割が兼業。農家が高齢化し、体力的に増頭や経営維持が難しくなり、ヤギを手放す人が多くなっている。

 一方、ことし1月、琉球大学の研究チームが「ヤギ肉料理が血圧を上げる」という一般的なうわさは、ヤギそのものではなく料理に使われる塩分が原因だとする研究結果を発表(本紙1月23日付)。

 県や南部家畜市場、ヤギ肉専門店などによると研究発表以降、ヤギ料理店に足を運ぶ人や買い求める人が増えているといい、「血圧を気にして食べるのを控えていた人たちが、また食べるようになったのでは」と推測している。

 那覇市の牧志公設市場内でヤギ肉専門店を営む女性店主(72)によると、ヤギ肉の購入者が1月末の報道以降、1・5倍ほどに増加。しかし「単価が高すぎて仕入れる量に限界がきている。販売量は昨年と比べて半分以下。売価が高くて十分な量を確保できず、閉店を考えている料理店もある」と心配している。

 県によると、県内のヤギ肉市場は約6割が県内の競りを通さないオーストラリアやニュージーランドなど海外産。こちらも価格が上昇しており、円安の影響が大きいという。

 県は09年度から海外から輸入したヤギ肉専用種の凍結精液の無償配布や飼養管理マニュアルの作成などに取り組み生産振興。ことし8月には県産ヤギ肉の増産や流通体制の構築などを目的に「JAおきなわ山羊(やぎ)生産振興協議会」も発足している。

» ヤギ肉「血圧上げない」原因は料理の塩(1月23日)