八重山の渇水が深刻だ。竹富町で10月30日、石垣市でも11月20日から断水。気象台によると与那国島地方で7月上旬から、石垣島地方で8月上旬から少雨が続いている

▼長いスパンで気象データを見ると少雨はそう珍しくないようだ。年間降水量の平年値は約2100ミリの石垣島だが、数年周期で2千ミリを下回っている。約10年ごとに1500ミリ前後の観測地点も出る

▼だが少雨は必ずしも断水に直結していない。石垣市が17年ぶりの夜間断水に踏み切った2011年の年間降水量は約1800ミリだが、04年もほぼ同じ降水量。近年の断水は人間の水の使用量によるところが大きい

▼石垣市の人口は1953年約2万人から2014年約4万9千人に急増。入域観光客数は40年前の約3・5倍になった。竹富町も同様だ。この人口増加や経済活動の拡大による渇水は、かつて沖縄島も経験した

▼復帰後、断水は毎年恒例となり1981~82年ついに326日間の国内最長を記録。学校給食はパンと牛乳だけになり飲み水にも事欠いた恐怖の記憶がある。ダム整備で近年減ったが、大規模に自然を損なうダムによる渇水回避には限界も

▼だから10年前、石垣市の支局に赴任した際、八重山の自然の恵みに「断水知らず」と聞いてうらやましかった。それなのに-。自然と人の共存はかくも難しい。(黒島美奈子)