名護市辺野古の新基地建設に向けた埋め立て変更申請の審査が、建設反対を掲げる翁長雄志次期知事の県政に先送りされる公算だ。沖縄防衛局が埋め立て本体工事の本格着手までに必要な県側の承認や同意は少なくとも3件以上。仮に不承認、不同意になっても建設工事が完全に止まることにはならないが、仲井真県政との“共同歩調”が崩れた防衛局は今後、県や名護市と「数え切れない」(県関係者)ほどある行政手続きで気をもむことになりそうだ。(政経部・篠原知恵)

辺野古新基地建設で必要な県の承認など

■審査白紙も

 翁長氏は「権限を行使して(建設を)止める」と明言。建設予定地の稲嶺進名護市長も同じ考えだ。

 直近に控えるのは、防衛局が9月に提出した変更申請を承認するかどうかの判断。翁長氏は「私なりにしっかり審査し、名護市と意見交換しながら知事権限を行使したい」とし、仲井真県政下で最終盤まで終えた審査を白紙に戻してやり直す可能性もある。

 公有水面埋立法に詳しい行政関係者は「申請不承認となれば、前例のない未知の領域。理屈付けなど審査にかなりの長期間を要すだろう」とみる。

 一方の防衛局は、県の申請承認を得て来年度にも関連工事に着手する考え。不承認なら当初案通り名護市の管理地で工事しなければならないが、市と必要な協議が整う見込みもない。

 建設反対の県と市に挟まれ、当面は「にっちもさっちもいかない状況」(同関係者)が続きそうだ。

■「留意事項」

 防衛局は、本体工事の本格着手前までに少なくとも県が承認時に留意事項で求めた(1)着工前に詳細な設計図となる実施設計(2)埋め立て土砂に含まれる外来生物対策やジュゴン保全など工事中の環境保全策対策-を協議しなければならない。法的拘束力はないが、県は「当然守ってもらう。県と防衛局双方が適切と判断すれば協議を終える」(海岸防災課)と認識する。

 県が同意しなければ、中仕切護岸など仮設工事を終えた後の本格的な本体工事に着手できないと考えており、折り合いがつかなければ、協議が長期化する可能性もある。

 さらにハードルは高い。県は留意事項で(1)環境保全措置(2)埋め立てに用いる土砂の採取場所や採取量(3)埋め立て地の用途や利用計画-を変更する場合、変更申請を出すよう定めている。

■難問次々と

 埋立法に基づく一般的な変更申請の範囲をより広く設定した格好で、申請審査に関わった県関係者は「防衛局は一挙手一投足のたび、県とやりとりが必要になる」とみる。

 埋立法の手続き以外にもサンゴの移植に伴う特別採捕許可などが待ち構える。

 県幹部は「防衛省も、数ある手続きのたびに訴訟を起こすわけにもいかないだろう。県政と市政が建設反対で足並みをそろえた以上、工事が難航するのは必至だ」と見通した。